イップスを乗り越え“アームロック”で川奈に挑む
練習日にプロのバッグには14本を超える本数のクラブが入っていることがよくある。ドライバーやウェッジ、パターなどを練習ラウンドで打ち分け、より良いものを見極めたりするわけだが、さすがに7本のパターがバッグに入っているのは異例だ。
「私、物持ちがいいんですよ! 色々試しているうちにこんなになっちゃいました」とは大西本人の弁。実際、ツアーを転戦する中でクラブを自宅に送る時間がなく、どんどん増えていってしまったようだ。
![画像: 気が付けばパターが溜まってしまったという大西のキャディバッグ。なんと7本入ってます](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2019/04/24/75213f90afbc8f916562ab2572d27d38e29bc259_xlarge.jpg)
気が付けばパターが溜まってしまったという大西のキャディバッグ。なんと7本入ってます
一時期は「手がまったく動かなかった」というパッティングの状態に関して、昨年から大西のコーチを務めるプロゴルファー・谷古宇(やこう)智紀は言う。
「昨年、日本女子オープンで初めてキャディをした際はクロスハンドでパッティングしていましたが、そんなに悪い状態ではありませんでした。しかし、開幕後は本人の気持ちの部分もあり、動かなくなってしまった。ならばパターはどんな形でも、本人の中で動くっていう意識が出ることが重要なんです」
そして、手が動くことを追求していった結果、“アームロック式”のパッティングへとたどり着いたという。
![画像: アームロック式でパットする大西](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2019/04/24/0e4ab279b74c363faa2300b1022179c502f6bbad_xlarge.jpg)
アームロック式でパットする大西
アームロックは、中尺パターを用い、左腕をグリップにつけてストロークするやり方。キーガン・ブラドリー、ウェブ・シンプソンらがこの打ち方を採用して復活し、ゴルフの科学者ブライソン・デシャンボーや、最近では石川遼もこの打ち方をテストしている。プロの間でブームとも言えるスタイルだ。
火曜日の練習ラウンド、大西が使ったのはテーラーメイドの「レッドアードモア」パターだが、実はこれ、エースではないという。
「パター間違えて持ってきちゃって(笑)。エースはロッカーに置いてきました」(大西)
![画像: エースは左から3本目のスパイダーARCだが、練習ラウンドでは「間違えて」右から3本目のレッドアードモアを持ってきてしまったという](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2019/04/24/203b38527b376825cef678f66ffbb5a6518779a6_xlarge.jpg)
エースは左から3本目のスパイダーARCだが、練習ラウンドでは「間違えて」右から3本目のレッドアードモアを持ってきてしまったという
大西のエースはテーラーメイドのスパイダーARC。はたして本番で使うのはどのパターになるのか。イップスを乗り越えた大西葵に注目だ。
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