ツアーのグリーン上で妙に目にするギアがある。シルバーと黒のツートンのパターシャフト。オデッセイの「ストロークラボ」のシャフトだ。
オデッセイのパターといえば、かつてホワイトホット2ボールが一大ブームを巻き起こしたが、今度はストロークラボが旋風を巻き起こしている……ように見えるが、事態はちょっと複雑。実は、シャフトだけを“リシャフト”する選手が多いのだ。
いったい何故か。
「上田桃子プロがストロークラボをテストした際にこのシャフトを気に入り、使って即優勝。さらに、マスターズで優勝まであと一歩に迫ったフランチェスコ・モリナリも使用していることもあり、試すプロが増えたんです」と教えてくれたのは、オデッセイのツアー担当である中島申隆さん。
ストロークラボは、シャフトを軽量化し、その分の重量をヘッドとグリップに配分することでストロークを改善するというのがウリのモデル。それだけに、カーボン複合の専用軽量シャフトにリシャフトした場合、当然、通常のパターよりも総重量が軽くなってしまう。
ツアーの現場では、リシャフトして軽くなった分だけ中島さんらメーカー担当者がグリップ側のシャフト内部にウェートを入れ、調整しているようだ。
「重量は選手によって異なりますが、シャフトのバット(手元)側に重量を追加することで、ストロークしやすくなったり、距離感が合いやすくなるんです。試合のときには打ち急ぎやすくなりますが、手元に重みを感じながら打てるからテンポが良くなるんだと思います」(中島さん)
プロであれば、「これ!」と決めたヘッドや、自分がフィーリングを出しやすいグリップが決まっているもの。その感覚はそのままに、シャフトだけを替えることで振り心地をチューニングできるのがいいようだ。
ざっと見回しても、三浦桃香や中里光之介といったキャロウェイ契約選手にとどまらず、大山志保、小祝さくら、小田孔明といった選手たちも採用。他にも多くの選手が使っている様子が見られる。
とはいえ、もちろんストロークラボ自体は完成商品なので、シャフトだけの販売は一般にはしておらず、リシャフトは“ツアー専用”。プロの真似をしてみたいと思ったら、まずは近隣のショップでストロークラボを手にとって試してみては?