昨シーズンは29試合に出場するも獲得賞金約600万の92位と低迷。しかしプロテストにも合格し、QTを28位でくぐり抜け今シーズンも開幕戦から参戦しています。
スタッツを見ると、昨年から今年で驚くほどショット内容が改善されています。飛距離はほぼ変わっていませんが、フェアウェイキープ率は83位から19位(5月22日現在)に。パーオン率は74位から22位へと大きく成長しています。
ショットが改善された理由はどのあたりにあるのでしょうか。5月初旬開催の「パナソニックオープンレディース」で話を聞きました。
「ショットはすごくよくなってきました。特にパーオン率が上がってきました。スウィングもよくなってきていると思います」(高橋)
画像Aをご覧ください。スウィングを見てみると、昨年(写真左)に比べ、今年(写真右)はトップがややフラットでダウンスウィングでは浅く低い位置に入るように変わっています。そのことで入射角がゆるやかになり安定したインパクトを迎えられるようになっています。
特に注目したいところは上半身と下半身が分離されてできる捻転差です。深いトップから下半身が先行して回転し上半身(肩のライン)は開かずにダウンスウィングに入っています。この動きにより飛距離の源となる肩と腰のラインの差(Xファクター)が大きくなります。飛距離と再現性の高いスウィングと言えます。
アベレージゴルフファーの場合、バックスウィングでもダウンスウィングでも上半身と下半身の向きが同じように揃ってしまい、捻転差を使えていないことが多いと思います。この捻転差を実現するにはトップからの切り返しの一瞬でこの捻転差を作るのではなくバックスウィングを上げる段階から上半身と下半身の分離をイメージすることが大切です。
綱引きをするときは、腕の力だけでなく体重を乗せて綱を引っ張りますが、切り返しでは腕で綱を引っ張るのではなく、下半身の動きで引きおろす。そんなイメージが持てると、捻転差が作れると思います。このとき、上半身を開かないことが大切です。
コツは画像Bの右側のようにお腹を少し引っ込めるようにすること。切り返しでこの感覚になるようにバックスウィングから意識しておくと、上体を残し下半身から切り返す感覚がつかめるはずです。その感覚をつかむとスウィングは劇的に変わってきます。下半身の力を効率よく使えるようになし、腕を使わずに飛距離が出せるようになります。
さて、高橋選手の話に戻りましょう。取材したパナソニックレディースでは、普段は比嘉真美子選手のキャディを務める河戸映キャディを帯同していましたので、その意図も聞いてみました。
「後はパットなんです! パットが全然入らなくて。試合で見てもらいたくて河戸さんにお願いしました」(高橋)
とのこと。パットのスタッツを見てみると、昨年までのパーオンホールの平均パットは74位、1Rの平均パット数は30.5634で80位とたしかに悪い。しかし、パナソニックレディースでは予選落ちしたものの翌週のサロンパスカップでの平均パット数は29.25、ほけんの窓口では29.67と改善。
成績もそれぞれ11位タイ、25位タイと結果につながっています。河戸キャディのアドバイスが功を奏したのかもしれません。
それ以降の試合の出場優先順位を決める第1回のリランキングは6月末の「アースモンダミンカップ」終了時点。今週の「中京テレビブリヂストンレディスオープン」を入れて残りは6戦です。ショットとパットがかみ合えば上位進出も期待できるハタチの高橋彩華に注目してみてください。
写真/姉崎正、岡沢裕行