「オッケー」じゃなくて「Gimme」
カップのすぐ近くにボールが寄り、次打てば絶対入るというシチュエーション。こんなとき、同伴者が「オッケー」と宣言すれば「1打加算してカップインしたことにする」という非公式ルールが存在する……のはみなさんご存知の通り。
もちろん通常のストロークプレーの競技などでは認められていないが、仲間内でラウンドする際はスムーズにプレーを進行するためにオッケールールを採用することも多いだろう。ただこのオッケー、「外国人には通じないです」とアメリカ生活14年のプロゴルファー・タッド尾身は言う。
「海外でもオッケールールはありますが、実は英語ではオッケーとは言いません。外国人とプレーしていてオッケーと言うと『What?(何がオッケーなの?)』と聞き返されてしまいます」
ではなんと言えばいいのか。
「いくつか言い方があるんですけど、一番シンプルでよく使われるのが『Gimme(ギンミ)』です。『Give me(ギブミー)』を速く言ってGimme。正しく言うと「That’s gimme」あるいは「That’s give me」ですね。相手にオッケーをあげるときも『Give you』ではなくGimme(Give me)なので注意です。オッケーかどうか同伴者に聞くときは語尾を上げて『Gimme?』、同伴者にオッケーを出すときは勢い良く『Gimme!』と言ってあげましょう」(タッド尾身、以下同)
「ダフリ」「トップ」英語ではなんて言う?
続いてはゴルフの代表的なミス、「ダフリ」と「トップ」の英語表現について教えてもらおう。
「ボールの手前を打ってしまうミスのことを『ダフリ』って言いますよね。ダフリは英単語の『duff(ダフ)』から来ていて、ゴルフ用語として『ボールの手前の地面を打つ』という意味でも使われています。『I duffed it』っていう言い方もあるんですけど、実際はほとんど使われていません」
ダフリを意味する表現は主に3つある、とタッドは続ける。
「一番よく使われるのが『I hit heavy』。heavy(ヘビー)は重いって意味ですよね。ダフるとクラブが地面に引っかかってしまい、重く感じるところから来ています。
他には『I hit fat』。fat(ファット)には脂肪という意味もあるけど、太いという意味もあるんです。こちらは(地面を)太く削っちゃったっていう意味合いですね。
もうひとつ、『I hit thick』という言い方もあります。thick(スィック)は分厚いという意味で、クラブが分厚く入った、という表現です。sick(シック。病気の意)と言い間違えないように気をつけましょう。主に使われているのはこの3つですね」
続いて、ボールの上側を叩いてしまうミス、いわゆるトップ。海外では「I topped it」や「I top the ball」とtop(トップ)を用いた表現を使うこともあるが「大多数が使っているのは違う表現です」とタッド。
「よく使われるのが『I hit thin』。Thin(シィン)は細いとか薄いっていう意味で、薄く当たった、つまりターフが取れなかったという表現です。もうひとつ、覚えておくとカッコいい、“通”しか言わない表現として『I blade it』とも言います。リーディングエッジのことをblade(ブレード)と言うんですよ。ブレードで打っちゃったってことで『I blade it』というわけですね」
何気なく使っているけれど、意外と知らないゴルフ用語の英語豆知識。実際に使う機会があるかどうかは別として、覚えておいて損ということはないだろう。
取材協力/新橋ゴルフスタジオ