ここ2年優勝がないジョーダン・スピースが「全米プロ」3位タイに続きチャールズシュワッブチャレンジで8位タイに入った。2試合連続トップ10入りは復調の兆しなのか?

2017年の全英以来勝利から遠ざかっているが……

いまから6年前、19歳でプロデビューしたスピースは凄かった。ジョン・ディア・クラシックでツアー初優勝を飾るとフェデックスカップのポイントランク7位に大躍進。フレッド・カプルスキャプテンの推薦でプレジデンツカップのメンバーにも選ばれた。

将棋の藤井聡太七段がデビューから29連勝を記録したとき、どれくらい彼は凄いのか? と訊かれたある棋士が「すごいと聞いていたがスーパーカーくらいだと思っていた。ところがスーパーカーどころかジェット機だった」と表現したことがあるが、先輩プロたちにとってスピースはジェット機並みのインパクトだった。

画像: 全米プロでは3位タイと成績を残し、復調の兆しもみられたジョーダン・スピース(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

全米プロでは3位タイと成績を残し、復調の兆しもみられたジョーダン・スピース(写真は2019年の全米プロゴルフ選手権 撮影/姉崎正)

移動中はトランプで遊び無邪気な表情を見せる彼が「つい最近まで高校生だったとはね。彼は宇宙人だな」と優勝争いした相手がため息をついた。

2015年にはマスターズと全米オープンのメジャー2連勝。年間5勝を挙げフェデックスカップ王者にも輝いた。世代交代完了。このままスピース時代は続くと思われた。

ところが17年に全英オープンでマット・クーチャーに3打差をつける圧勝でツアー通算11勝目を挙げてからぱったりと勝ち星から見放されることに。武器だったパッティングが決まらなくなり、その影響はショットにも及んだ。

今シーズンは予選落ちが嵩み50位前後に低迷する試合が続き、ジェネシスオープンの最終日にはプロになって3度目の80台(81)を叩き周囲を心配させた。世界ランクもいつの間にか30位台に後退。

全米プロが始まる前はマスターズでの21位タイがシーズンベスト。あの強かったスピースはもう見られないのか? そう思われた矢先、25歳になった彼はメジャーの舞台で久々に優勝争いを演じて復調をアピールした。優勝こそならなかったものの3位タイに食い込み「このままいけば(優勝も)遠くない」と自信をのぞかせた。

そして迎えたチャールズシュワッブチャレンジ、3日目を終えて2位タイに浮上したスピースは「
パッティングは完全に以前の状態に戻っている。あとはショットだけ。ドライバーが課題だけれどそれも少しずつ改善されている」と手応えを滲ませた。

最終日はスコアを落とし8位タイに甘んじたが2試合連続トップ10入りはスランプ脱出の証?

「結果として勝てなくても構わない。自分がやってきたことをいかに信じられるかが重要。いまは自分を信じない理由がない。すべてのショット、パットで自分を信じてプレーできれば結果はついてくる」という言葉が近い将来彼の身に訪れるであろう歓喜の瞬間を予感させる。

スピースの2年ぶり優勝が先か松山英樹の2年ぶり勝利が先か? 同年代のライバルの動向も気になる。

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