気持ち悪いくらいショットがピンに絡んでいた
実は今回が初タッグだったという木村キャディと勝みなみ。木村自身、「本人がどういうゴルフをするのかわからない」状態だっただけに、2日目の62には驚かされたと語る。
「(セカンド地点で)僕が残り距離を言って、風の状況を言うと、クラブはこれでいいですか? と聞かれるので、イエスかノーかを答えるだけ。それで打ったら全部1.5メートルに着く。そして、その1.5メートルが全部入る。実際は2、3発外しているんですが、それで10アンダーですからね。途中でスコアがわからなくなりました(笑)」(木村、以下同)
プロキャディとしてキャリアを重ねる木村にしても、1日10アンダーは初体験。「これがゾーンか!」という感覚だったという。2日目のビッグスコアで後続に3ストロークの差をつけた勝だが、木村は過去の経験からビッグスコアの翌日はスコアが出にくく、ましてや追ってくるのが松田鈴英ら実力者であることから、3打のアドバンテージはあってないようなものだと考えていたという。
実際、最終日の勝はボギーが先行する苦しいラウンド。それでも、初日、2日目と変わることなくプレーしていたと木村は証言する。そして、15番で「あれが決まってなかったらやばかったんじゃないかと思います」というロングパットが決まり、優勝を手にする。
「本人は優勝できるかどうかを意識していないというか……どうやったらバーディをとれるかということだけを考えていたと思います。ラウンド中はお酒の話とか、くだらない話ばかりして、しっかり周りを見れている感じでした。メンタルのコントロールも上手くやっていましたし、ゴルフ自体も上手いです。黄金世代の中でも、ちょっと別格ですね」
今回の優勝で世界ランク50位圏内にまでランクを上げてきた(46位)勝みなみ。“黄金世代”というくくりの中から、頭ひとつ抜け出してきた。