中京テレビ・ブリヂストンレディスの2日目に「62」のビッグスコアを叩き出し、最終日も最終盤までもつれる中、最後は貫禄すら感じさせるプレーで今シーズン2勝目を挙げた勝みなみ。その強さとプレーぶりを、間近で見た帯同キャディ・木村翔に聞いた。

気持ち悪いくらいショットがピンに絡んでいた

実は今回が初タッグだったという木村キャディと勝みなみ。木村自身、「本人がどういうゴルフをするのかわからない」状態だっただけに、2日目の62には驚かされたと語る。

画像: 今季2勝目を挙げた黄金世代の勝みなみ。強者ひしめく世代の中でも「別格」だと木村キャディは言う(写真は2019年のほけんの窓口レディス  撮影/岡沢裕行)

今季2勝目を挙げた黄金世代の勝みなみ。強者ひしめく世代の中でも「別格」だと木村キャディは言う(写真は2019年のほけんの窓口レディス  撮影/岡沢裕行)

「(セカンド地点で)僕が残り距離を言って、風の状況を言うと、クラブはこれでいいですか? と聞かれるので、イエスかノーかを答えるだけ。それで打ったら全部1.5メートルに着く。そして、その1.5メートルが全部入る。実際は2、3発外しているんですが、それで10アンダーですからね。途中でスコアがわからなくなりました(笑)」(木村、以下同)

プロキャディとしてキャリアを重ねる木村にしても、1日10アンダーは初体験。「これがゾーンか!」という感覚だったという。2日目のビッグスコアで後続に3ストロークの差をつけた勝だが、木村は過去の経験からビッグスコアの翌日はスコアが出にくく、ましてや追ってくるのが松田鈴英ら実力者であることから、3打のアドバンテージはあってないようなものだと考えていたという。

実際、最終日の勝はボギーが先行する苦しいラウンド。それでも、初日、2日目と変わることなくプレーしていたと木村は証言する。そして、15番で「あれが決まってなかったらやばかったんじゃないかと思います」というロングパットが決まり、優勝を手にする。

「本人は優勝できるかどうかを意識していないというか……どうやったらバーディをとれるかということだけを考えていたと思います。ラウンド中はお酒の話とか、くだらない話ばかりして、しっかり周りを見れている感じでした。メンタルのコントロールも上手くやっていましたし、ゴルフ自体も上手いです。黄金世代の中でも、ちょっと別格ですね」

今回の優勝で世界ランク50位圏内にまでランクを上げてきた(46位)勝みなみ。“黄金世代”というくくりの中から、頭ひとつ抜け出してきた。

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