パトリック・カントレーの優勝で幕を降ろしたPGAツアー「ザ・メモリアルトーナメント」。その試合に出場していたタイガー・ウッズは、予選ラウンド終了後に“居残り練習”を敢行。それ以降グッと調子を取り戻し、9位タイで大会を終えた。その練習風景を、現地で取材した吉田洋一郎がレポート。

2日目を終えて練習場へ。それからガラッと雰囲気が変わった

先週のタイガー・ウッズは、練習日から“お疲れモード”。練習日から誰の目にも明らかなオーラをまとっていたマスターズでの様子とは、まったくの別もの。全米オープンに向けての叩き台、そんな位置付けなのかなと思っていました。

大会が始まっても、2日目まではあまり体が動いておらず、クラブだけを振っているような印象でした。それでも予選を通るからさすがですが、正直よく予選通ったな、と思ってしまうレベルでした。

そんなタイガーが、2日目終了後、ドライビングレンジにタイガーが姿を現しました。ラウンド後にタイガーが誰もいないレンジで球を打つ、その光景自体が珍しい。そう思って、一部始終をウォッチすることに。

やっていたことはシンプルな練習です。マネージャー氏にアドレス時の手元の位置の少し上にクラブのグリップ部分をあてがってもらい、そのままスウィング。日本ツアーでは片山晋呉選手などもよく行う、「手元が浮かないようにする」ドリルです。ドリルとまで言えないくらいですね。

画像: 関係者にクラブを手元にあてがってもらいながら球を打つ練習を繰り返していた

関係者にクラブを手元にあてがってもらいながら球を打つ練習を繰り返していた

体が動かず、クラブばかりを振ると、振り遅れて手元が浮くことがありますから、それを防ごうという意図が見えます。そして、クラブを振るのではなく、体を動かすことを意識し、右脚の蹴りを強く入れながらフェードを打つ練習を繰り返していました。

ドローはクラブの運動量が、フェードは体の運動量が多くないと打てない球筋。意識的にフェードを打つことで、ヘッドを走らせるのではなく、体の動きの量、回転の量を増やすことを強く意識しているように見えました。

迎えた3日目。タイガーは別人になっていました。アイアンのキレが前日までとまったく違う。糸を引くようにピンを刺すアイアンは、マスターズでのプレーを思い起こさせるものでした。結局、3日目70、そして最終日に67と爆発し、終わってみれば9位タイのトップ10フィニッシュです。

スコアを伸ばした決勝ラウンドでしたが、最終日はバックナインでスコアを伸ばせていません。ひとまずここでひと叩きを入れ、来週に迫った全米オープンにピークを合わせてくるのでしょう。全米プロでは予選落ちを喫したタイガーですが、得意コースであるペブルビーチゴルフリンクスで開催される全米オープンでは、大いに期待をしていいのではないでしょうか。

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