先日、松山英樹選手を目当てにザ・メモリアルトーナメントを取材していたときのことです。タイガー・ウッズの練習をウォッチしていると、なにやら視界に入るものがあります。
タイガーです。
タイガーを見ているんだからタイガーが視界に入るのは当たり前だろうと思われるかもしれませんが……写真を見ていただけば一目瞭然。タイガーがタイガーを見守っている……わかりやすく言えば、虎の形の人工物を取り付けた自作(と思われる)の帽子をかぶった男性がタイガー・ウッズの練習を見守っていたのです。
世界は広い、色々な人がいて、色々な応援の仕方がある。そのときはそう思いました。取材まではしなくていいかな、と。
その日の取材を終えた帰り道、駐車場へ向かうシャトルバスに乗り込みました。すると、これも運命でしょうか、隣に座ったのが、誰あろう頭に“タイガー”を乗せた男性でした。というわけで、話しかけてみました。
吉田:普段はなにをしてらっしゃるのですか?
男性:トランポリンに乗ってパフォーマンスをするコメディアンなんです。テキサスのオースティンから、休みをとってきました。
吉田:それは……やはりタイガーを応援するために?
男性:その通り。クレージーと言われるかもしれないけど……タイガーが大好きなんだ。
というわけで、意外とよく喋る、普通の方でした。パフォーマーだけに、人に見られることに慣れているのでしょうか。とくに「ゴー、タイガー!」などと叫ぶこともなく、周りのギャラリーの注目を静かに集めつつ、タイガーを見つめていました。
今週の全米オープンも、彼はテキサスからやってくるのでしょうか。彼のみならず、世界中のファンの期待を乗せて、タイガーのメジャー16勝目を期待したいと思います。