メジャー第3戦全米オープンの会場で取材中の月刊ゴルフダイジェストのツアー担当・ケンジロウ。今回注目したのは先週優勝し、今大会初日も3アンダー(8位タイ)と好調のローリー・マキロイ。その好調の理由はクラブセッティングにあった!? 本人に直撃した。

「(61で勝った)先週の試合、いい練習になって良かったよ」

こんにちは、ケンジロウです。カリフォルニアのモントレー半島、ペブルビーチゴルフリンクスよりお届けしております。

「U.S.オープン」、いよいよ試合が始まりました。水曜日に引き続き曇天の空模様の初日。弱い風にとどまったおかげか、リーダーズボードには赤い数字が並んでいました。

松山英樹選手も出だしにボギーを打ってしまいましたが、バーディをとってすぐに流れを戻し、その後14番でチップインイーグルをとるなどトータル2アンダーでフィニッシュ。このコースで2アンダーはまずまずの滑り出しと言えるのではないでしょうか。実際16位タイとまずまずの位置につけています。

松山選手よりさらにひとつ上のスコア3アンダーで上がったのがローリー・マキロイ。先週のカナディアンオープンで最終日に61を出し、トータル22アンダーでぶっちぎり優勝したのはご存知かと思います。

全米オープンの前の週を休む人と試合に出る人で別れると思うのですが、マキロイは今回後者を選びました。どちらが正解というものはないですが、多くの選手は前の週を休みにして、早めに会場入りするというのが通例です(松山選手もカナディアンオープンに出場せずに前の週の土曜日からペブルビーチを練習ラウンドをしていました)。

画像: 初日3アンダー、8位タイと好発進のローリー・マキロイ

初日3アンダー、8位タイと好発進のローリー・マキロイ

マキロイは試合前の会見で、前週の試合に出たことについて言及しています。

「ここ何年かはU.S.オープンの前の週は休んでいたんだけど、それが正しい選択だったかどうかイマイチ確信が持てなかったんだ。今回はプランを替えて、カナディアンオープンに出場したよ。そこでいいプレーができたし、今週にうまくつながってくれるといいよね」

今年はアメリカの試合に多く出るとマキロイは宣言していました。今やフェデックスランキングも2位、フェデックス王者の可能性も十分にあります。

画像: ペブルビーチ対策としてウェッジを3本から4本に変更。マキロイが練習で使用中に撮影したため、左のセッティング写真には3本しか入っていないが、60度ウェッジ(写真右)も入る

ペブルビーチ対策としてウェッジを3本から4本に変更。マキロイが練習で使用中に撮影したため、左のセッティング写真には3本しか入っていないが、60度ウェッジ(写真右)も入る

さて、マキロイ好調の理由のひとつにあるクラブの変化があります。それはウェッジを4本体制にしたこと。今までは48度、54度、60度の6度ピッチ3本体制でしたが、それを48、52、56、60の4度ピッチに変更しました。48度は今までと同じミルドグラインド残りの3本はHi-Toeウェッジを使っています。

画像: 48度は今までと同じミルドグラインドを使用。アイアンセットの「P」は抜いている

48度は今までと同じミルドグラインドを使用。アイアンセットの「P」は抜いている

カナディアンオープンではU.S.オープン前の慣らし運転としてこの4本体制で臨んでいたわけです。練習日に本人に話を聞いたところ「グリーンに近づいたときの距離のコントロールでミスをして取りこぼしているケースが多かったんだ。それでロフトのバリエーションを増やして自分でコントロールできる距離の選択肢を増やしたんだよ。48度と60度は今までのウェッジだから、54度を抜いて、52度と56度を追加したんだ」とのこと。

ペブルビーチ用の対策でもあったことを本人は認めています。

「ペブルビーチは距離が長くないから、ドライバーでいいショットを打ったらだいたいウェッジでのショットが残ると思ったんだ。数週間前にこの体制で行こうと思いついたんだけど、先週の試合はいい練習になって良かったよ」(マキロイ)

なんか余裕があるコメント。ウェッジの調整をしながら、PGAの試合で61というビッグスコアを出して勝っちゃうんですから。

画像: ドライバーで飛ばし、増強したウェッジで寄せ、バーディを奪う。マキロイの戦略はハマるか?

ドライバーで飛ばし、増強したウェッジで寄せ、バーディを奪う。マキロイの戦略はハマるか?

ちなみに、上を厚くする代わりに3番アイアンを抜いたそうです。その影響で4番アイアンのロフトを立てたそうですよ。4番アイアンはティショットで使うから、少しでも距離を稼ぎたいんでしょうね。まさにペブルビーチに向けて、準備万端といったところです。

その準備が功を奏したのか、3アンダースタート。飛ぶ上に、グリーンに近づいたときの距離の幅も厚くなってまさに死角なし。こりゃ二週連続優勝、そして2度目の全米タイトルの可能性大いにありそうですよ。

写真/有原裕晶

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