アマチュアゴルファーはラウンド中にミスした過去のことや、スウィングのチェックポイントなどを考えがちだが、トッププロはそのような思考はしないとプロゴルファー・増田哲仁は言う。著書「これでいいの?これだけで飛ぶの?」から「五感」を生かしたゴルフをするための考え方を紹介。

ゴルフで大事なのは「ボールを打つ」以外の時間

これからスウィングに入るというとき、どこか遠くを見ているようなプロがいます。一方で、アベレージゴルファーの多くが、ラウンド中のほとんどの時間、下を向いてプレーしています。ここでも、プロとアマチュアとの差が出ます。調子が悪いと、視線を上方へ保つことできないプロもいますが、これは「過去」のことで頭がいっぱいになってしまい、想像力を発揮できない状態だからです。

ゴルフは極端にプレー時間(ボールを打っている時間)が短いスポーツです。ゆえに、スウィングしている以外の時間の過ごし方が大切なことは、誰でも理解できるでしょう。しかし、アマチュアの多くが、その時間を「過去」に縛られて過ごしてしまっています。

たとえば、前のホールでミスをしたとします。すると、次のティグラウンドへ向かうまで、「もっとこう打てばよかった」「こう判断すればよかった」と、 過去を振り返って反省を続けていますよね。

しかし、その歩いている時間から、すでに次のホールの闘いが始まっているのです。まして、プロの多くは、「過去」ではなく、「未来」に意識を集中させているものです。体は「休憩中」のように映る静止状態でも、頭はフル回転しているのです。

もちろん、風の状況とか、 ホール攻略法を考えてもいますが、それだけでなく、自分がボールになったようなイメージで、コースの上空を飛んでしまっている感覚といったほうがいいかもしれません。

画像: トッププロはつねに未来に思いを馳せているものだ(撮影/姉崎正)

トッププロはつねに未来に思いを馳せているものだ(撮影/姉崎正)

空を飛んでみるイメージがないままアドレスに入ってしまうと、あの地点に落としたいとか、あのバンカーを避けたいとか、平面的に着地点のことばかりを考えてしまいがち。しかし、事前に一度自分がボールになって空を飛んでおけば、あそこへ着地するためには、まずこういう角度で打ち出されて、このあたりで最頂点に達して、このあたりで失速して、このあたりで落下して転がってという具合に、弾道が明確に、しかも立体的に描けます。

弾道が明確に描ければ、当然スコアも変わってきます。景色を見ずにスウィングのことばかりを考えていると、いつまでたっても目標は見えてこないし、自分の球筋というものもわからないままです。つまり、なぜミスをしたのか、 なぜナイスショットが打てたのか、その原因は、ひじの角度や、ひざの向きや、肩の入れ具合にあると考えてしまう。

もちろん、スウィングの良し悪しもあるでしょうが、私が見るかぎりアマチュアのほとんどは、自分がどういうボールを打とうということを意識せずに、ただ闇雲に振っているように映ります。まず、明確な目標ありきで、次にそれに対応できる自分の球筋があって、初めてコースを攻略できるのです。

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