タイガーと同い年のPGAツアー選手、ローリー・サバティーニ。2011年以来優勝から遠ざかっていたベテランがここ最近目覚ましい復調を遂げているが、その理由は……? ツアー取材歴20年のゴルフエディター・大泉英子がレポート!

なんと南アフリカ人の彼が、今年からスロバキア国籍に変わっていたのだ。しかも以前、ツアー会場で仲睦まじく家族で転戦していたエイミー夫人とは離婚し、スロバキア人女性マルティナ・ストファニコバさんと結婚していたのだ。彼女とは11年ホンダクラシックで優勝した時に初めて出会ったのだという。

彼女は政治家やテニスプレーヤーと結婚していたこともあり、息子もいるが、サバティーニと出会って1年後には再婚したようだ。彼女と出会った当時はまだエイミーさんと結婚していたので、その後不倫関係にもつれたのだろう。国籍がスロバキアに変わったという時点でピンときたが、やっぱり……である。すでに削除されているが、エイミーはツイッターでこんなことを呟いている。「もう私達は結婚していないのよ。彼はとにかく他の女性との“課外活動”が多すぎたわ」。

そして彼女の口利きもあってスロバキア国籍を獲得することに成功した。彼女の従兄弟がスロバキアゴルフ協会の副会長を務めており、「スロバキアのゴルフの発展のために」という名目のもと、国籍獲得に尽力したようである。そしてサバティーニはスロバキア人として「若手の育成やスロバキアゴルフの発展」に協力する一方で、来年の東京オリンピック出場権も手中に収めることがほぼ確定したといっていいだろう。

「スロバキア国籍取得は、決してオリンピック出場のためではない。スロバキアのゴルフのため、妻やまま息子のため」と否定はしているが、実際は南アフリカ人としてオリンピックに出場するよりも明らかにイージーであり(現在、PGAツアー唯一のスロバキア人選手になっている)、いろいろな思惑が働いたに違いない。

再婚し、新たに国籍を取得したサバティーニ。現在、南アフリカ、アメリカ、スロバキアの3カ国の国籍を持っていると言われているが、そんな彼がスロバキア人として東京オリンピックに出て金メダルを取りたいという新たな目標ができた今、かなりゴルフに対するモチベーションが上がっているようである。それが現在の好成績に結びついているといっても過言ではないだろう。

新しいコーチをつけたとか、何かスウィング改造した、というコメントも見当たらないので詳細は不明だが、明らかにパッティングとフェアウェイキープ率などが以前に比べてよくなっていることは確かだ。

ちなみにサバティーニといえば、以前から選手間のトラブルが絶えないお騒がせ男。スロープレーヤーとして有名なベン・クレーンと同組で回っていた時は、彼のプレーが遅すぎる、と我慢の限界を超えたサバティーニは自分のショット、パットをさっさと済ませ、クレーンを置き去りにして最終ホールへスタスタ歩いて行ったり(クレーンにも多いに問題はあるが……)、あるいはショーン・オヘアとラウンド中に口論するなど、選手たちからも「もっとも一緒に回りたくない男」という残念な称号を獲得している。

短気でせっかち、その上態度が悪いというレッテルが貼られているが、確かにミスショットした時など癇癪を起こしているような時は、怖いのであまり近くに寄りたくない。

だが、一方で顔馴染みの私がたまに取材に行っても、きちんと答えてくれるフレンドリーさも持ち合わせている。元妻のエイミーはとてもフレンドリーで、夫に対してもいつも一生懸命にサポートしていた姿を思い出す。私自身も親切にしてもらっていただけに彼らの離婚は非常に残念だが、さすがに彼女も“課外活動”の多すぎる夫、周囲と喧嘩の絶えない夫との人生に耐えられなくなったのだろう。彼女とツアーで会うことはなくなってしまったが、元気に明るく人生を謳歌していることを祈りたい。 

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