インスタートの7番、8番とバーディチャンスを決め切れずにパー。最終9番ではフェアウェイど真ん中からのセカンドショットをミスして、そこから寄らず・入らずのボギーとしたことで、囲み取材での松山選手はこの日のプレーに満足した様子はありませんでした。
たしかに、見ていても最後の印象は良くなかったのかと思います。しかし、上がり3ホールがうまくプレーできれば10アンダーまで行ってもおかしくなかった。この日のプレーはそんな印象でした。
この日の松山選手のプレーは、ショットはピンに絡み、パットも気持ちよく入り、というショットとパットが噛み合った内容。
先週のロケットモーゲージクラシックも現地で松山選手のプレーを見ましたが、ショットが良くてもパットが入らず、そうこうするうちショットが曲がり始めて……というどこか噛み合わない印象で、もちろん本人が一番もどかしいとは思いますが、見ているこちらももどかしく感じるところがありました。
先週のコースに比べ、今週は池も絡み、距離も長く難易度自体はかなり上がっていますが、その中でこれだけのスコアを出してこられるのは、ショットとパットが噛み合ったからこそ。松山選手の求める完璧なゴルフへ、今日のプレーになぞらえていうならば、完成度は15/18というところまできているのではないでしょうか。
そうなってくると期待したいのは優勝。あとは、マスターズ以降スタンス幅を狭く、前傾角度を浅くした新しいパッティングスタイルや、微調整を繰り返しているであろうスウィングが、優勝争いの中でどうパフォーマンスを発揮できるかにかかっていると思います。
思えばタイガー・ウッズも、今年のマスターズで優勝する前にはスウィングをモデルチェンジし、試合ごとにマイナーチェンジを加え、メジャーでの優勝争いを経験し、というステップを踏んでいました。
松山選手の場合も、もちろん今週優勝する可能性もありますが、完璧なゴルフに一歩一歩進んでいる印象を、マスターズ以降複数の試合を現地観戦する中で強く受けます。
普通にショットを打ち、パットが普通に入って、普通にスコアが出て、普通に2位タイ発進。今日のプレーの印象はそのようなものです。「普通に強い」松山選手が週末にどんなプレーを見せてくれるのか、楽しみにしたいと思います。
※7月5日21時23分内容を修正しました