当事者の自分と第3者の自分を使い分ける
私たちはすぐに自分が作った基準や思い込みという枠に囚われてしまいがちです。そして、その囚われからネガティブになったり、柔軟なイメージが制限されたりするものです。
ゴルフでいうと私たちはどんな状況に囚われてしまうでしょうか。たとえば、フェアウェイが狭いホールでのティショット、これは多くの人に「囚われ」が現れる状況です。何に囚われるかというと、かつてのラウンドで同じようなホールでミスをしたという過去の自分、そして、また今回のOBになるのではないかという未来への不安です。
このような枠に囚われてしまうと、ミスするのではないかというマイナスイメージが連想され、落ち着かない気持ちや焦りにつながってしまうこともあるのではないでしょうか。
では、どのようにすればそのような囚われから自分を解放することができるのでしょか? 今回の記事ではそれについて解説していきます。
箱に入ると視野が狭くなる
面白いことに「囚」という感字を分解すると「口」のという枠(箱)の中に「人」という字が入っています。この漢字が表しているように、今回の内容でいう囚われとは、思考や思い込みという四角い箱の中に閉じこもり、視野が狭くなっている状況を指します。
「また前みたいにミスをするかもしれない」という箱。
「なんでミスを連発するのだろう」という箱。
「今日はスウィングがおかしいぞ」という箱。
箱の中に入っている当事者は視野が狭くなり、その状況にはまってしまうとなかなか抜け出せないのです。
箱の外から「メタ認知」してみよう
しかし、第3者として箱に入っている他人を外から観察したとき、当事者ではない自分は「そんなに悩む必要ないのに」「1つ1つに集中してやればいいよね」「できることに目をむけよう」と冷静なアドバイスができるはずです。
にも関わらず、自分が箱の中に入っているときは不思議とその客観的な判断が難しいのです。ですので囚われから抜け出す答えはシンプルです。
一度、箱の外に出て第3者として今の自分の状況を観察してみるのです。
当事者の自分を上記の図のように「箱の外」から観察すると、当事者の自分から見ていた物事を見る角度と距離が確実に変わります。「今の状況を俯瞰して観る、高い視点から客観的に認知すること」これを心理学ではメタ認知と呼びます。
箱に入っている状態の自分をメタ認知する、つまり箱の外から客観的に観ると当事者の自分では気が付かない、客観的にフィードバックをすることができ、解決策や今集中すべきポイントなども見えやすくなるものです。そして、状況へのとらえ方が変わることで感情も変えることができるのです。
・箱の中「また前みたいにミスをするかもしれない」
これを箱の外からの客観視(メタ認知)すると→「ミスイメージではなく成功イメージをしたほうがいい」
・「なんでミスを連発するのだろう」
これを箱の外からの客観視(メタ認知)すると→「練習してきたポイントを思い出しもう一度集中!」
・「今日はスウィングがおかしいぞ」
これを箱の外からの客観視(メタ認知)すると→「今日はスウィングに関してはこのワンポイントを意識したほうがいい」
このように箱の外に出てメタ認知をすることで囚われから抜け出すことができます。このメタ認知をするときのポイントは一度あえて「他人事」として今の自分の状況を観察し箱の中の自分にアドバイスすることです。
たとえば一緒にラウンドをしている後輩がミスを連発してイライラしていることが観えた場合、「まあ、そんなにイライラするなよ。せっかくだからゴルフを楽しんだら?」と客観的にアドバイスしたりするのではないでしょうか。
このように一度、自分の状況を他人事として箱の外からメタ認知することで、囚われから自分を解放することができると思いますし、エンジョイゴルフにつながると思います。ぜひ、トライしてみてください。