小祝さくらの初優勝の後、辻村明志コーチに話を聞くと「優勝した夜、さくらはいつも通りランニングに行きました」と教えてくれた。小祝の精神力の強さを物語るエピソードだが、実はその夜のランニングには伴走者がいた。母・ひとみさんである。リアル二人三脚でツアーを戦う、小祝さくらのお母さんに話を聞いた。
プロテストに合格した夜も、母と娘は走っていた
「優勝した夜ですか? 走りに行きました、私も一緒に。夜は危ないので、一緒に走るようにしているんです。それは私たちにとっては当たり前のことなんです。隣の駅まで往復するので私は途中で折り返しますけど(笑)」(ひとみさん)
ひとみさんによれば、一昨年プロテストに合格した夜も、小祝はひとみさんとともに走っていた。それは、コーチの辻村から「今夜も走るんだぞ」と言われたからだという。他の選手と同じことをやっていたのでは、それ以上にはなれないという考えが根底にはあるのだという。
ひとみさんに、小祝は幼い頃からやると決めたことはやり通す子どもだったのかと聞くと、「もともと下手なので、その分、人の3倍も5倍も練習して、体で覚えるようにしてきましたから」という答えが返ってきた。
「体力はもともとあるほうですが、疲れが出るこの時期にしっかりトレーニングして、今週も上位を目指しています」とはひとみさんの弁。辻村も、「勝った次の試合が大事」と兜の緒を締める。
本人も、母も、コーチも、驚くほどに優勝したのに慢心する気配がない。2週連続優勝を狙う、小祝さくらに注目だ。
(一部内容を修正致しました 2019年7月25日 19時05分)