球筋はスライス。飛距離200ヤード前後。球をつかまえて飛ばしたい!
小澤:皆さんこんにちは、USLPGAティーチング会員の小澤美奈瀬です。今回も特別ゲストをお迎えしてレッスンをお送りしたいと思います。どうぞ~!
ジョニ男:(踊りながら登場)ナイス・トゥ・ミーチュー。どうもジョニ男と申します。
小澤:ジョニ男さんはゴルフはどのくらいのペースでやらているんですか。
ジョニ男:今はだいたい月に1回、行けて2回くらいなんですけどね。一時期は、事務所の先輩の関根勤さんに連れていってもらって月に5~6回。
小澤:すご~い! ゴルフ歴は?
ジョニ男:7年目ですかね。40歳を過ぎたあたりで、ゴルフやりたいなと思ったんですよ。
小澤:なにかきっかけがあったんですか?
ジョニ男:実は高校生の頃に将棋クラブに入っていて、大山康晴名人の自伝を読んでいたら、「将棋以外で唯一、面白かったのはゴルフである。だけどこのままゴルフをやっていたら将棋で名人が獲れなくなるからゴルフをやめることにします」と書いてあったんです。
小澤:それほど病みつきになっちゃうということなんでしょうね。
ジョニ男:私も、ゴルフはお笑いで売れてから始めようと思っていたんですけど、なかなか売れず(笑)。このままゴルフができないで終わる人生は嫌だなと思って、関根勤さんにゴルフをやりたいんですけどと言ったら、ゴルフクラブをくれたんですね。
小澤:え~、優しいですね。
ジョニ男:そこからどっぷり、仕事以上にハマっているかもしれないです。
小澤:今、スコアはどれくらいなんですか。
ジョニ男:だいたい110くらいで、年に何回か100を切るという感じです。
小澤:ベストスコアは?
ジョニ男:94なんですけど。
小澤:上手いじゃないですか。
ジョニ男:でもそれからいろいろあって、悩みもあるんです。スライスが嫌で。左を向いて打ったするんですが、たまにスライスせずに真っ直ぐに行っちゃって、森に突き刺さるというね。
小澤:え~、森に突き刺さるんですか。で、ドライバーの飛距離はどのくらいなんですか。
ジョニ男:飛んで200ヤードって感じですね。7番ウッドとあまり変わらないんですよね。
小澤:わかりました。じゃあ飛距離も上げていきながら、スライスも直していきましょう。さっそくドライバーショットを見せてください。
手を返そうとするあまり、ゆるく握り過ぎていた
ジョニ男:打つ前に、2つほど気になることがあるんですが。最近、スライスを克服するために、関根勤さんから「右手を返せばスライスは治るから」って言われ意識してやっていたら、今度は左に行っちゃう球が多くなってきちゃったんですよ。
小澤:あ~、なるほど。
ジョニ男:もう一つは、アプローチの時に左手のグリップを強く握れと言われ、それでドライバーもギュッと握っていたら腕もヘッドも返らなくなって、スライスになってしまったんです。最近はグリップをグニャグニャに変えて、だいぶ良くなってきているんですけれどね。
小澤:今、強さはどれくらいなんですか。
ジョニ男:強さは、ヒヨコを包むような感じなんです。顔もヒヨコのような感じで(唇をつぼめるようにして悲しげな顔にする)握るとイイ感じなんですよね。
小澤:なるほど、ではさっそく、ひよこ顔で打ってみてください。(ひよこ顔でグリップして構えてから、パシッ! ボールは右へ。飛距離は200ヤード弱)
小澤:うん。ちょっと右に出ていますけど、そんなに気にするほどではないですよね。
ジョニ男:でも、ほら、200ヤード飛ばないくらいじゃないですか。コレなんですよ。
小澤:じゃあ、もう一回打ってみましょう。
ジョニ男:はい(バシ! 今度は200ヤードを少し越えた程度)。
小澤:お、飛びましたね。でもそんなに強いスライスと言う感じじゃないので、悩むほどではないと思いますけれどね。ちょっとグリップを見せてもらっていいですか。
ジョニ男:はい。こういう感じなんですけど。
小澤:見ていて思ったんですけど、これじゃあヒヨコが落ちませんか?(ジョニ男の左手の小指と薬指がグリップから外れているのを美奈瀬がチェック!)
ジョニ男:外していても、インパクトのときはギュッと握って力が入るから、打つ前は力を入れておかないほうが良いと思ってやっているんですけど、ダメですか?
小澤:そうですね、指を離しておくとインパクトの時に逆にギュッと力が入ってしまうことがあるし、もしくはゆるんだままインパクトを迎えエネルギーロスをすることがあるので、指はちゃんと添えておいたうえでの「ひよこ」がイイと思いますね。
ジョニ男:なるほど。
フェースのゆるやかなターンを覚える「スプリットハンドドリル」
小澤:手の平で握るというのも悪くはないんですけれど、指先の方で握ることで、腕や手首の柔らかさというものを使っていけるので、飛距離アップというところでは重要な部分になってきますね。それでは、今はスライスというよりフェードくらいの感じ球なんですけれど、それを柔らかいドローに変えていきたいと思います。
ジョニ男:憧れていたんですよ! ドローボールに。
小澤:さっき、返す動きが強すぎて左に行くのが怖いとおっしゃっていましたけど、腕が自然にターンする「スプリットハンドドリル」を覚えて頂きたいと思います。まず普通に構えていただいて、その状態から右手を左手からシャフト寄りに離して握ります。その状態でフルスウィングをしていきます。
ジョニ男:え、これって、投げ釣りする時の握り方じゃないですか。これでスウィングをするんですか。
小澤:はい。やってみてください。
ジョニ男:(恐る恐る、ヒュン)グリップの間が空いているので、なんか変な感じですね。
小澤:いいんです、何回かやってみましょう。
ジョニ男:(ヒュン、ヒュン)
小澤:手を離して振ってみると、「あ、右手はこうやって使うんだな」とか、「左手はこのタイミングで畳まれるんだ」といった腕の感覚を自然につかむことができるんですよね。ではそろそろ普通のグリップに戻して打ってみましょうか。
ジョニ男:今ので何か変わるんだろうか……(ブツブツと言って半信半疑の様子だが、パシッ!と打ってみると、出ました美奈瀬マジック!)おや? 真っすぐだ。すげぇ!
小澤:すご~い!
ジョニ男:皆さん、やりました。パパやったよ! 凄い、マジック。コレなんて言うんでしたっけ?
小澤:「スプリットハンドドリル」です。
ジョニ男:スプリットハンドドリル、凄い!
小澤:ゴルフでは、アームローテーションといって腕を返す動きは凄く大事なんですよね。このローテーションはインパクトをする瞬間あたりからゆるやかにやっていくとドローボールが打てるし、飛距離も出るんですけど、スプリットハンドドリルは、そういうゆるやかなアームローテーションが自然に身に付くんです。
ジョニ男:はぁ~、これだけやっていれば身に付くんですね。
小澤:はい。ジョニ男さんも、あとはローテーションをもう少し強くしていくと弾道がドローになっていきます。
ジョニ男:あのね、みなさんコレ、やってみてください。初めは違和感があるんですけど、そのうちに「あ、ローテーションできる!」ってなってきますから。
小澤:ラウンド中に、急にボールが右に出始めてもうダメだぁとなった時には、このスプリットハンド・ドリルで素振りを2~3回くらいするだけで、すぐに効果を感じることができると思います。
ジョニ男:ほんと嬉しいです。ありがとうございます!
撮影協力:104ゴルフアカデミー 協力/ロトゥセ(シューズ)