すくい打ちでボールが浮かない・飛ばない・曲がる……
小澤:さて、今日のテーマなんですけど、ロングアイアンが打てるようになりたい、ということなんですけど。
ジョニ男:はい。アイアンは好きで、7番までは何とか打てるんですけれど、6番、5番になってくると長い分だけ振り遅れるのか、スライスしてしまうので、5番アイアンは正直、林の中から出すときくらいしか使っていないんです。
小澤:曲がるのが気になるんですか、それとも飛距離が出ない感じですか。
ジョニ男:距離も出ないし、きちんと当たっていないんじゃないかなっていう感じもあるんですよね。今までのゴルフ人生で5番アイアンは、本来の飛距離で打ったことは一度もないんじゃないかなと思います。
小澤:あ~ン、寂しい~。
ジョニ男:はい、寂しいです。エ~ン、エ~ン、エ~ン高ドル安。
小澤:(笑)。
ジョニ男:なんとか打てるように、先生、お願いします。
小澤:じゃあ、打ってみましょうか。
ジョニ男:はい(ピシッ!打つが、結果はトップ)。あ、トップですかね。
小澤:うん、イイ感じですけどちょっとトップですね。もう一回打ちましょうか。
ジョニ男(2発目 ピシ!)あ、今のは良かったです。でも140ヤードかぁ。
小澤:当たり的には悪くないんですけど、ヘッドがちょっと手前から入った感じですね。
ジョニ男:5番アイアンと7番アイアンと、飛距離が変わらない気がするんですよ。
小澤:では、7番アイアンを打って見せてくれますか。
ジョニ男:いいですよ。7番は、私、自信を持っているんですよ。(バシ!)ほらね。
小澤:うん。7番のほうが飛んでる(笑)。
ジョニ男 これって、おかしくないですか。
小澤:クラブの入射角度も5番より7番の方が良かったですね。素晴らしい、きっと7番は喜んでいると思いますよ。
ジョニ男:でも本来は5番の方が飛ぶわけですよね。5番の立場がないですよ。
ポイントはクラブの「入射角」
小澤 今見てて、7と5の違いは入射角度なんです。5番アイアンはヘッドの入り方が、手前から芝を噛みながら入ってきているんです。でも7番アイアンはそのヘッドが芝を噛む量がかなり少なく、上からボールの良いところに当たっているんですよね。では、5番アイアンもしっかりとダウンブローに打てるようにしていきたいと思います。
ジョニ男:ダウンブロー! 憧れですよね。どうやったら打てるんですか。
小澤:じゃあ、ひとつドリルをやりたいと思います。「美奈瀬タオル」をお願いしま~す。
ジョニ男:美奈瀬タオル?
小澤:このタオルを使って、上からダウンブローに入れていけるドリルをやって行きたいと思います。(ボールの20センチ程手前にタオルを敷いて)5番アイアンのヘッドがこのタオルに触らないように打ってみてください。
ジョニ男:クラブを下ろすときに当たらないようにするわけですね(打つが、球は右に出て146ヤード。2発目もほぼ同じ結果に)。
小澤:うん、今、7番とやっと同じ距離になってきました。
ジョニ男:先生、クラブが長いぶんだけ振り遅れるのをどうにかしたいんですけど。
小澤:前回、ドライバーでのスライスを防止するためにやった、左右の手を離して右手はグリップのシャフトギリギリを握る「スプリットハンド」で素振りをやってみるといいかもしれないですね。
ジョニ男:あ、そうか! こういう時にこそ、スプリットですね(と、数回素振りして打つと、球がつかまって飛距離は151ヤード)
小澤:良い感じ、良い感じ♡ ただ、距離はもうちょっと欲しいですね。じゃあタオルをもうちょっと、ボールと10センチくらいのところに近づけて、もう一度打ってみましょう。
ジョニ男:(打つ。バシッといい当たり)スライスはしていないようだけど……?
小澤:距離は……165ヤード!
ジョニ男:出た、165!?
小澤:イェ~イ!
ジョニ男:今までは140だったのに!
小澤:5番アイアン、喜んでいますよ。
ジョニ男:スゴ! 打てた! 先生コレ、ダウンブローに打つのに、このタオルが役に立ったわけですか。
小澤:ええ、アイアンの場合、手元がヘッドがよりも前にあるハンドファーストのインパクトの形が理想なんです。でも、ジョニ男さんは以前は、ヘッドがボールの手前の芝をコスってから入ってきて、そこから上がり際でボールに当たる「すくい打ち」になっていました。5番なのに、7番とか8番アイアンくらいのロフトでのインパクトになっていたので飛距離が出なかったんですね。
ジョニ男:ほお〜。
小澤:だから5番アイアンの場合、4番アイアンのロフトで打つようなイメージで打つと、ダウンブローに打つことが出来るようになってくると思います。タオルは、その感覚をつかむためのものです。
ジョニ男:なんか、今すぐコースに行きたい。そして5番アイアンだけで回りたい。そんな気分です。
小澤:きっとうまくいくと思いま~す!
撮影協力:104ゴルフアカデミー 衣装協力:フィドラ(ウェア)、ロトゥセ(シューズ)