実績もない、プロテストも通っていないところからの逆襲
髙木優奈(たかぎゆうな)は1998年5月13日生まれ、神奈川県出身の21歳。昨年末の予選会90位の資格で、今年はステップアップツアーを中心にプレー。レギュラーツアーでは3戦して3回予選落ちと壁に跳ね返されているが、ステップでは先週開催されたANAプリンセスカップで優勝し、賞金360万円を手にしている。
プロテスト合格、そしてその先のレギュラーでの活躍を目指す彼女に、ステップアップツアー「カストロールレディース」の練習日に話を聞いた。
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編集部:原英莉花プロ、小祝さくらプロ、渋野日向子プロ、河本結プロらが初優勝をつかみ、レギュラーツアーで黄金世代の活躍が続いていますが、同期の活躍をどう思われますか?
髙木:純粋にすごいなって思いますね。勝みなみ、小祝さくらはアマチュア時代から注目されていて、結果もあって、プロになってからもあれだけ結果を出すっていうのは努力がそれなりに必要だし、プレッシャーがあるなかで人一倍頑張って、本当に尊敬してます。
編集部:同期の中でも原英莉花プロとは出身が神奈川県で同じですよね
髙木:そうですね、原英莉花は同じ神奈川で、彼女はアマチュア時代の成績がそんなに凄いわけじゃないんですけど、こうやって注目されてプレッシャーのなかで結果を出せるのは本当にすごいなと思います。その反面自分は、アマチュア時代の結果もなく、プロになってからも結果がなく、プロテスト合格しているわけじゃない。自分はどうなんだろうと思うこともあったんですけど、こないだの1
勝は自分的には大きいので、これからみんなに負けないように頑張っていきたいなと思います。
編集部:ANAプリンセスカップでは初日に今季ベストの「67」。残り2日もアンダーパーを並べての優勝でしたが、その要因は?
髙木:ステップ10試合終わってファーストラウンドの平均スコアの順位が、賞金ランキング20位ぐらいのわりには50何位とかで、初日がすごい悪いなっていうことに気が付いて。それで、(勝った試合から)練習ラウンドでもスコアをとるようにしたんですよね。練習ラウンドを仮の初日としたのが結果的には良かったのかなと思います。
プロテストに合格し、賞金女王をつかみたい
編集部:ステップで優勝、次の目標はありますか?
髙木:今年の目標はプロテスト合格です。あとステップアップツアーで、あと1回でも2回でも優勝するっていうのがいまの目標。大きな目標としては不動裕理さんのような、何度も勝てる選手になりたい。将来的には賞金女王も目指していきたいです。
編集部:そのための課題はなんでしょうか?
髙木:ショットもパターもアプローチも全体的な底上げをして、中でもパッティングが課題で、凄い私の弱点だったんです。ただ先週の優勝はパッティングに助けられたっていうところもあって今自信が出てきているところなのでそれはこれからも続けていこうかなと思います。
編集部:YouTubeでレッスンで高名なコーチの三觜喜一プロからは、優勝したあとなにか一言ありましたか?
髙木:泣いてました(笑)。クラブの握り方から教わっていて、親みたいな感じなので近い関係が良くもあり悪くもありで、高校のときとかは近い関係に悩んだりした時期もあったんです。なんでも言えて、なんでも相談できて、自分のイライラとかもぶつけられて、それでもしっかり対応してくれるコーチですね。
MITHUHASHITV(三觜主宰のYouTubeチャンネル)って凄い人気があるみたいで、インスタも私よりフォロワーがいるんですよ。コーチのファンの人がファンになってくれて、そういうつながりも結構あって。優勝して、(SNSに)おめでとうってコメントをもらったりとかお花も届いたりとか、
こんなに私を応援してくれてたんだって改めて実感して、感謝してもしきれないですね。
編集部:支えてくれるみなさんに一言。
髙木:本当に私一人でここまで来ているわけだはなく、何度も予選落ちしても応援してくれているファンの人たちは沢山いて、そういうなかでやっといい報告ができたことを嬉しく思います。引き続き髙木優奈を応援してもらえればいいなと思います。髙木優奈らしく、笑顔でいいプレーをみせれるように今後も頑張りたいと思います。
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今やレギュラーツアーの主役と言っていい黄金世代の女子プロたち。今は「すごいな」と見上げる髙木が、彼女たちと肩を並べてレギュラーツアーの舞台で戦う姿が見られる日を、楽しみにしたい。