ギャラリーがフェアウェイに雪崩れ込み収拾がつかないほどの熱狂に包まれた昨年のザ・ツアー選手権。スポーツ界最高の復活劇を演じた主人公タイガー・ウッズは今年同大会への出場を逃し連覇は叶わぬ夢となった。長いようで短かったシーズンを終えたタイガーの頭のなかはいまプレジデンツカップのことでいっぱいだ。

ライバルたちも感動!「スポーツ界の歴史的な日」

1年前のあの日、クラブハウスのルーフバルコニーから熱狂のシーンの目撃者になったのが欧州を代表するプレーヤー、トミー・フリートウッドだ。

「ものすごく特別な瞬間だった。ゴルフ界だけじゃなくスポーツ界にとって大きな意味を持つ1日。僕ら選手たちが見つめるなか信じられないような復活劇が現実になったんだ。歴史の証人になれた気がしたよ。決して忘れられない素晴らしいシーンだった」

いまも興奮が止まらないフリートウッドのような選手は大勢いる。最終日タイガーと優勝争いを演じたローリー・マキロイやジャスティン・ローズも「あの瞬間に立ち合えて幸せ」「ゴルフ界にとって最高のできごとだった」と口を揃える。

「(同組の)ローリー(マキロイ)がホールアウトしたとき感情が込み上げてきた。あぁ、終わったんだと周りを眺めたあと勝ったんだ、と思った(笑)。80勝目だ、とね」(タイガー)

自らの米チームのキャプテンに立候補、歴代最強メンバー編成へ

その後マスターズでメジャー15勝目、5度目のグリーンジャケットに袖を通した彼は「それ以外は思ったようなプレーができなかった」とちぐはぐだったシーズンを振り返った。結局ポイントランク42位でトップ30のみに出場が許される最終戦進出はならなかった。

画像: 4月の「マスターズ」では11年ぶりのメジャー優勝を通算80勝目で飾ったタイガー(写真は2019年の「マスターズ」 撮影/姉﨑正)

4月の「マスターズ」では11年ぶりのメジャー優勝を通算80勝目で飾ったタイガー(写真は2019年の「マスターズ」 撮影/姉﨑正)

残念な気持ちはもちろんあるはずだ。しかしゴルファーはいつだってそこに立ち止まっているわけにはいかない。目下タイガーの最大の関心事は12月13日から豪ロイヤルメルボルンで開催されるプレジデンツカップだろう。自らキャプテンに立候補し、かつてのライバル、アーニー・エルス率いるインターナショナルチームと相対するのだから。

BMW選手権終了時点でプレジデンツカップポイントランク上位8名ずつが自動的に選出された。最強の指揮官のもと世界ランク1位のブルックス・ケプカ、ジャスティン・トーマス、ダスティン・ジョンソンら最強メンバーが顔を揃える。

残りの4名はキャプテン推薦。以前はプレイングキャプテンに興味を示していたタイガーだが、シーズンを終えたいま「私情は排除して最強のチームをつくることを目指す」と断言。現在ポイントランク13位の本人がプレーする可能性はほとんどなくなった。通算10勝1敗1分と米チームが圧勝してきた歴史のある大会で負けるわけにはいかない。

プレジデンツカップの前には日本で行われるZOZOチャンピオンシップや松山英樹らとのスキンズマッチにも出場する予定。シーズンが終わってもタイガーの歩みは止まらない。

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