初の年間王者奪取にむけ「ツアー選手権」開催コースでの練習を行った世界ランキング1位のブルックス・ケプカ。ここ2週間は調子を落としていたが、公式会見では、そんな悩みの打開策を得たことを明かした。

初日の‟スウィングパニック”から一転、翌日には修正完了

現在世界ランク1位、過去3年でメジャー優勝4回という大舞台で抜群の強さを示しているブルックス・ケプカはフェデックスカップ初の年間王者を狙い最終調整をこなしてます。

PGAツアーのレギュラーシーズンの獲得ポイントレースをトップで終え200万ドルのボーナス賞金を得たケプカでしたが、プレーオフ初戦と2戦目は30位、24位と低迷。 最終戦「ツアー選手権」は3位(トップとは3打差の)7アンダーという位置からスタートします。

開催コースとなるイーストレイクGCには火曜日の午後4時過ぎに会場入り。 軽い調整かな? と思っていましんたが、スウィングコーチのクロード・ハーモン3世(ブッチ・ハーモンの息子)とドライビングレンジで2時間みっちりアイアンを打ち込み、その後パッティングを1時間と、黙々と練習を続けていました。

水曜日の公式記者会見でケプカは「ここ2週間はかなり悪い内容でしたが、閃くことがあったので今週は楽しみにしています」と語り始めました。

画像: ここ2週間、状態が落ちていたが「閃いた」と復調の手応えを語ったケプカ(写真は2019年の全米オープン 撮影/有原裕晶)

ここ2週間、状態が落ちていたが「閃いた」と復調の手応えを語ったケプカ(写真は2019年の全米オープン 撮影/有原裕晶)

「先週は構えた時にまったくしっくりこなくて、ぎこちなかったです。ラウンド終了後、球の打ち込みを続けました。 悪いときは引っかけて左に行ったかなと感じるのに実際には球が右にカットして行ったり、フィーリングのズレが大きかったんです。昨日の夕方の練習時でも最初はまだスウィングに違和感があり、 本音を言うとちょっとパニックに陥った感じもありました。

ここまでしっくり来ないということは最近経験したことはありませんでした。 しかしクロードからの意見を聞いているうちに自分が考え過ぎていることに気がつきました。私自身は深く考えるタイプではありません。 シンプルに気をつける点をクリアにすること。 途中から段々良くなりました。

パッティングに関しても同じです。 もう少ししっかり打つことが大事という結論に至りました。 何故かわかりませんが、1メートルオーバーすると強く打ちすぎでは? と心配するときがありました。 よく考えると私は昔から強気のパッティングをするほうなので、狙ったラインとタッチを修正しました」

スウィングコーチのクロードからの3つのアドバイスで……

ケプカはショートゲームをピート・コーウェン(英)、フルスウィングはクロード・ハーモン3世から指導を受けています。 クロード(ニックネームはCH3)はケプカの他にリッキー・ファウラーやジミー・ウォーカーなども指導しているスウィングコーチ(過去にはダスティン・ジョンソンも指導)です。

ハーモン3世が指導していた点は3つ。

・グリップポジションがインパクト後に上がりすぎないように注意する

・グリップエンドをインパクトからフォロースルーで腰の回転と同じように左に振り抜くこと

・アドレス時にボールの30センチほど前方にしっかり目標を決めて出球はそのラインまたは若干左に出すイメージ。右へのプッシュアウトはNG

画像: アライメント棒を斜めに立て低く振り抜く練習をするケプカ

アライメント棒を斜めに立て低く振り抜く練習をするケプカ

アライメント棒を球から10時の方向に差して手を低く振り抜くというアイアン練習を約45分打ち続けていました。 力強い弾道は高く舞い上がり落ち際で右にすっと落ちるきれいなフェード。練習エリアは少し打ち上げですが、6番アイアンのキャリーは200ヤード強。火曜日は一般ギャラリーが入場できない非公開日で、 メディア取材は普通通りOKということで会話が聞こえるところで練習を観察できました。

今年から導入される新しいストローク・ハンデ制での最終戦はボーナス賞金(優勝ボーナス約16億円)が用意されていてPGAツアー公式賞金ランキング対象外という大会。 初の賞金王に輝いたブルックス・ケプカがこの閃きで良い結果を出すことができるか? 4日間の熱い戦いが楽しみです。

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