初コンビのキャディとつかんだ初優勝
黄金世代9人目の優勝者となった淺井咲希選手。今週は栗永遼キャディとの初タッグで、いきなりの優勝となりました。来週もコンビを組む予定だという栗永キャディは、淺井選手のプレースタイルをこう説明します。
「咲希ちゃんは決断力が早いんです。決めたら迷わずに打つ。性格もさっぱりしていて、ミスをしてもへこたれない精神的な強さを持っています。僕も初めての最終日最終組でしたがお互いに緊張はなくて楽しくできました」(栗永)
淺井選手は長くパットで「手が動かない」症状に悩まされてきたといいますが、会場の大箱根CCはその前の「北海道meijiカップ」、「NEC軽井沢」と比べてグリーンのスピードが速くアンジュレーションも強い、グリーン上が勝負になると感じていたようです。
そして練習ラウンドから直線的にラインを読む淺井選手のスタイルに栗永キャディの読むラインとタッチを合わせる作業を続け、それがバッチリとハマったといいます。初タッグのいい緊張感がプレーに好影響を与えたようです。
そんな淺井選手は151センチと小柄ながら飛距離は全体の5位となる257.5ヤード。パーオン率も7位タイとショットメーカーです。そのスウィングを詳しく見てみましょう。
まずは画像Aからオーソドックスなスクェアグリップから縦にクラブを使うアップライトなスウィングが特徴です。トップでの手元の位置は高く、そのときフェースは正面を向いています。これは、フェースを開きながらクラブを上げていることを表します。
胸が右ひざの上に乗るように右サイドにしっかりと負荷をかけながら手元を高く上げることで、横方向に回転するのではなく、縦方向にねじるイメージのスウィングと言えるでしょう。
続いて画像B。切り返してからもクラブを縦に引き下ろすように使い、フェースローテーションをしっかり使いながら振り抜いています。ポイントは手先でフェースを返すのではなく、トップからわきを締めた状態のまま、左腕を外側に回しながらダウンスウィングする点。
これにより、振り遅れることなく、ボールとの距離も変わらない再現性を確保しています。
フラットでフェースローテーションの少ないスウィングが主流になりつつありますが、ラフからのショットでの抜けの良さや高い弾道を打てるなどフェースを開閉しながら打つメリットももちろんあります。
自分のスウィングを貫き、磨き上げることで初優勝をつかんだ淺井咲希選手。改めてツアー全体のレベルを押し上げている黄金世代のレベルの高さを示しました。後半戦の活躍が楽しみです。