29日から開幕する「ニトリレディス」にむけ、調整を再開した全英女王・渋野日向子。日本人史上2人目のメジャー大会を制し、注目度が増した‟疲労”もあってかツアー再合流後は、歯痛など体調不良が相次ぐ状況。だが、そんな不安を打ち消すかのように元プロ野球のエース右腕が渋野のプロ向きともいえる証言した

本番に無類の強さを発揮する渋野を元プロ野球のエース・西崎幸広氏が証言

AIG全英女子オープン優勝後の国内2大会でもトップ10入りと結果を残し、その類まれなる「本番での強さ」は誰もが認める渋野日向子。そんな一面は、ゴルフとは別世界のプロとして実績をあげてきた野球界の人間からも一目置かれるほど。目撃者となったのは、元プロ野球・日本ハムのエース右腕として、プロ通算127勝、1988年には最多勝・ベストナインのタイトルを獲得した西崎幸広氏。

画像: 全英OP制覇前、国内で最後に出た試合が「サマンサタバサ」だった渋野日向子(写真は2019年の「サマンサタバサ ガールズコレクション レディーストーナメント 撮影/岡沢裕行)

全英OP制覇前、国内で最後に出た試合が「サマンサタバサ」だった渋野日向子(写真は2019年の「サマンサタバサ ガールズコレクション レディーストーナメント 撮影/岡沢裕行)

渋野が渡英前に出場した最後の国内ツアー「サマンサタバサ レディース」のプロアマ大会で同組となった西崎氏。「今となっては貴重なものを見ましたね(笑)」と、一緒に回ったラウンドでは後に全英女王となる渋野の“池ポチャ”を目撃したという。

プロアマで渋野ひとりだけまさかの“池ポチャ”。しかし本番では……

“事件”が起きたのは「サマンサタバサ レディース」が開催されたイーグルポイントGCの16番・パー3。同コースの名物でもある池越えホールでのこと。翌日の大会初日に備え、出場プロは、本番同様の169ヤードのティグラウンドから”予行練習”が許可されたホールでもあった。

まずは西崎氏ら3人のゲストプレーヤーが145ヤードのティから池越えに成功し、見事にグリーンへとワンオンに成功。そんな流れを受けて、ホステス役の渋野の出番となり周囲は「ピンに何メートルのところにつけるか」と見守っていたという。ところが……。

画像: プロアマで”まさかの池ポチャ”を披露してしまったが、本番では一転。しっかりとパーセーブした(写真は2019年の「サマンサタバサ ガールズコレクション レディーストーナメント 撮影/岡沢裕行)

プロアマで”まさかの池ポチャ”を披露してしまったが、本番では一転。しっかりとパーセーブした(写真は2019年の「サマンサタバサ ガールズコレクション レディーストーナメント 撮影/岡沢裕行)

西崎氏らが息を飲んで見守るなか、5番アイアンを握った渋野。だが、結果はまさかのミスショット。

「5番アイアンを激ダフリした当たりになっちゃって、フラフラ~と球は上がったは上がったけど、届かなかったね(笑)」(西崎氏)

それと同時に、ホステスプロの渋野ひとりだけが”池ポチャ”という何とも言えない空気に……。

だが、そこは「スマイルシンデレラ」の異名を持つ渋野。「やっちゃいました~(笑)。ヤバイですマジで! あたし明日からど~しよ~」。ゲストを暗い雰囲気にさせてはいけないと、あえて自虐ネタにしながら笑顔を振りまいて戻ってきたという。

聞けば、渋野もイーグルポイントGCはその日のプロアマが初ラウンドだったとのこと。そんなこともあり、西崎氏は、本番での渋野の結果を嫌が応にも気にしていたという。

本番は3日間すべてパーセーブ

結果は通算4アンダー35位タイ。初めてのコースで3日間、オーバーパーを記録せずに回り切った実力もさることながら、西崎氏が唸ったのは、直前のプロアマで池ポチャした16番ホールで3日間すべてにおいてパーセーブしていたこと。

「まさにそこがプロですよね。プロの選手でも失敗はつきものですが、それを次にどう生かすか。プロスポーツである以上、競争がありますし、同じ失敗を繰り返さないことは、ゴルフでも野球でもとても大事なことなんだと改めて思いましたね」とプロとして必要不可欠な渋野の“修正能力の高さ”に感銘を受けたという。

画像: 西崎氏は渋野の修正能力の高さに驚かされたという。ちなみに、プロアマでも笑顔満開だったそうだ(写真は2019年の「アースモンダミンカップ」 撮影/大澤進二)

西崎氏は渋野の修正能力の高さに驚かされたという。ちなみに、プロアマでも笑顔満開だったそうだ(写真は2019年の「アースモンダミンカップ」 撮影/大澤進二)

大会後、渋野が英国へと渡り、日本人42人年ぶりとなるメジャー大会制覇の偉業を達成したのは周知の通りだ。

「本当に凄いなと思います。直前のプロアマでご一緒させて頂き、僕は本当にラッキーでしたし、貴重な経験をさせて頂いたと感謝してます。渋野プロは本当に人柄も素晴らしく、あのままです(笑)。プロアマ中もずっとニコニコと笑っていましたし、茶店ではみなさんご存知の”モグモグタイム”で、お菓子も食べてました」

かつて”トレンディエース”と呼ばれ、球界きってのイケメン投手として若い女性を中心に“追っかけ”まで存在するほどの人気者であった西崎氏。それゆえの苦労も知るだけに「これからさらに注目されるようになって渋野プロも大変だとは思いますけど、これからも渋野プロらしく頑張ってほしいなと。陰ながら応援しています」とエールを送っていた。

今週からのニトリレディス、体調不良がささやかれる中、“本番力”で優勝争いに絡めるか、注目だ。

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