「黄金世代? 私はゴーイングマイウェイです」(渋野)
渋野日向子は「黄金世代」の一員だ。ではその黄金世代とはなにかといえば、答えは1998年度生まれ世代、すなわち1998年4月2日から、1999年4月1日までの1年間に生まれた“学年”を指す言葉だ。
勝みなみ、新垣比菜、畑岡奈紗ら高校生のアマチュア時代から大活躍した選手たちを先頭に、大里桃子、河本結、小祝さくら、原英莉花、淺井咲希、そしてもちろん渋野日向子がプロ転向後続々と勝利を挙げている、ゴルフ史に類を見ない“最強世代”と言える。
では、当の渋野は“黄金世代”と呼ばれることをどう思っているのか? 全英女子オープンで勝つ前、プロ初優勝直後に、本人はこう語っている。
「98年生まれということで黄金世代の中には入っていますけど、(勝)みなみちゃんとか(新垣)比菜ちゃんとか、(小祝)さくらちゃんとか(河本)結ちゃんとか、全然私よりもレベルも高いし、立場もまったく違うので、本当に何とも思っていないです。(黄金世代と言われることが)プレッシャーにもなっていないし、変に自信にもなっていないです。私はゴーイングマイウェイです」(渋野)
宮里藍に憧れてゴルフを始めた世代
黄金世代の活躍が注目されるようになったのは、2014年。高校生になったばかりの勝みなみがレギュラーツアーで勝利を挙げて、続いて新垣比菜がニトリレディスで初日3位とロケットスタート。“スーパー高校1年生世代”といった意味合いで、黄金世代という言葉は誕生したと言われる。
渋野が公言するように、彼女たちは多くが宮里藍に憧れた世代だ。プロ転向した2004年から、世界ランク1位になった2010年前後までの宮里が世界を舞台に大活躍した時代は、黄金世代にとってはちょうど小学生の頃。テレビなどで観るヒロインに憧れ、自分もそうなりたいと強く願う時代だ。藍ちゃんみたいになりたい! そう願った少女たちが、今、黄金の輝きを放っている。
韓国では、パク・セリが1998年に海外メジャーに韓国人選手として史上初めて勝ち、彼女の活躍に憧れた世代が大活躍している。
宮里が手に入れられなかったメジャータイトルを手にした渋野。彼女に続くのは、同世代の女子プロたちか、10年後の“シブコキッズ”か。渋野の優勝がなにをもたらすかは、未来のお楽しみにとっておこう。
※「月刊ゴルフダイジェスト10月号臨時増刊 スマイル!スマイル!渋野日向子」より(一部改変)
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