従業員総出で復旧作業が進められた
勢力の強さを保ったまま、関東地方直撃時には中心気圧960ヘクトパスカル、中心付近の最大風速40メートルと関東に上陸した台風では過去最大クラスだった台風15号。通過時間帯が多くの人々が眠りについた深夜から早朝時間帯での”上陸”だったとはいえ、土砂崩れや倒木など、もとの景観を破壊してしまうほどの被害は、ゴルフコースやゴルフ関連施設にも及んだ。
様々な形で被害が顕著なのは千葉県。直撃時、千葉市中央区で県の観測史上歴史1位となる瞬間風速57.5メートルを記録した猛烈な暴風、あわせてわずか1時間程度の短時間で100ミリ前後を記録した豪雨により、関東地方の各地で停電や雨漏り、屋根が壊れるなどの破損事案も各地で頻発。
もちろんゴルフ場も例外ではない。話を聞かせてくれた千葉県夷隅郡大多喜町のマグレガーCCも、深刻な被害を受けた。
同CCを運営するマクレガーゴルフジャパンの松下健氏は言う。
「プレーに関することでいえば、コースの中の木が倒れたり、枝葉が散乱したりしています。また、普段はラフになっている窪地が浸水して池に。土砂崩れが起きている場所もあります」(松下)
9日はコースはクローズし、従業員総出で枝を拾い、落ち葉を片付けといった復旧作業に追われたと言うが、被害はプレーエリアに限らない。カート道やイノシシよけなどのためにコース外周に張り巡らせていた電柵が破損、電信柱が傾いた箇所も見られるといい、停電により電話も通じない状態だ。
電話が不通となり、パソコンも使えないため、本来受け入れる予定であったこの日の来場者への連絡や、問い合わせに対応することもままならない状況。明日10日も再開は難しく、クローズが決定したという。
もちろんマグレガーCCは氷山の一角。多くのコースが必死の復旧作業に追われているはず。自然を相手にするスポーツである以上災害と向き合うのも宿命といえるが、それにしても甚大な今回の被害。被害にあったコースがいち早く復旧することを待つばかりだ。