かつては“お助けウェッジ”というジャンルでくくられていた「ワイドソール&ハイバウンス」なウェッジが、近年流行の兆しを見せている。ゴルフトレンドウォッチャー・コヤマカズヒロが実際に最新モデルを打ち、そのメリットを考えた。

バウンス角15度は「お助けクラブ」か「次の定番」か

テーラーメイドから「ビッグフット」というおかしな名前のウェッジが登場した。国内では2019年10月1日受付開始予定のカスタム専用モデルになる。

見た目は同社の契約プロたちが多く愛用している「ハイトウ」ウェッジのような形状で、スコアラインが全面に入っていて、特徴的なカッパー仕上げも「ハイトウ」のままだ。

画像: ハイトウのカスタム専用モデルという位置づけの「ミルドグラインド ハイトウ ビッグフット」。名前通り、大きな足跡のロゴが入っている

ハイトウのカスタム専用モデルという位置づけの「ミルドグラインド ハイトウ ビッグフット」。名前通り、大きな足跡のロゴが入っている

違いは32ミリという幅広ソールに15度というバウンス角。ワイドソール&ハイバウンスのお助けウェッジなのだ。

バンカーが苦手な人のために、ソールが強烈に幅広になったお助けウェッジは昔から存在してきた。最近では大手メーカーからも、キャロウェイ「シュアアウト」がヒットしたり、クリーブランドから「スマートソール」というチッパーのような形状のお助けウェッジが登場している。

画像: ハイトウのコンセプトを継承しつつ、32ミリのワイドソール、バウンス角15度に変えることでやさしさをプラス

ハイトウのコンセプトを継承しつつ、32ミリのワイドソール、バウンス角15度に変えることでやさしさをプラス

テーラーメイドでは、これらのお助けウェッジをゲームインプルーブメントウェッジと呼んでいるようだ。これらのカテゴリーに満を持して参入するプロダクトが「ビッグフット」というわけだ。

伝統的なウェッジでは、ソールが幅広になればバウンス角は小さく、ソールが狭いものはバウンス角は大きくというのがセオリーだ。現在もその決まりに沿ったモデルは数多い。しかし、近年はよりソールが機能するようなワイドソール&ハイバウンスのものが増えている。

これはお助けウェッジの領域だけの現象にとどまらない。上級者向けのモデルでも「ボーケイSM7」のKグラインドや、ピン「グライド3.0」のWSのようにソール幅が広く、バウンス角が大きなモデルがバリエーションに追加されるようになった。アダム・スコットが長い間Kグラインドの愛用者であることはよく知られている。

ツアープロにウェッジ使用者が多いフォーティーンでは、以前からソール幅の広いモデルがラインナップされている。お助け感の強いC036もあれば、中上級者がやさしく扱える新製品の「DJ-4」のようなモデルもある。

かつては、上級者はローバウンスのウェッジを使うというのが一般的だったが、現在ではプロや上級者がハイバウンス、あるいはワイドソールの機能を活かす方向にシフトするケースも見られるようになった。新たにお助けウェッジが登場するのも、そんなトレンドの影響があるかもしれない。

さて「ビッグフット」だが、実際に打ってみるとやはりバンカーがかなり楽になる。手前にドンとヘッドを入れるとソールがいい感じに弾いて、高く上がって脱出出来る。これだけのワイドソールなのに、構えると「ハイトウ」と見紛うほどスッキリした顔もいい。

「跳ねるのが嫌なので、自分はローバウンスしか使えない」という人は一定数存在するが、その中には、インパクト前に右手がフリップする悪癖がある人やインサイドにヘッドを引きすぎる人が少なくない。

そんなゴルファーには、意外とワイドソール&ハイバウンスのウェッジがオススメなのだ。極端な機能を持ったものを使うことで、ソールの使い方を習得しやすくなる。上級者がよく「バウンスを滑らせる」といっている技術だ。これが出来ると打点が下目に揃い、スピンも強くかかる。

ソールの使い方が身につけば、どんなウェッジでも機能を発揮できる。自分の打ち方にあったウェッジを選ぶのはそれからでも遅くはないと思うがいかがだろうか。

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