300ヤード以上飛ばしてフェアウェイキープ率75%! ホブランに注目
PGAツアー2019-20シーズンが開幕します。今季の開幕戦はウエストバージニア州で行われる「ミリタリー・トリビュート・アット・ザ・グリーンブライヤー」という2010年に始まった比較的新しい大会です。
今週のフィールドはトップ選手の出場が少なく、多くの選手がまだマスターズの出場権や優勝者だけが出場出来る1月マウイ島で行われるトーナメント・オブ・チャンピオンズの出場権を持っていません。優勝すればそういった試合の出場権に加えて、2022年シーズンまでのシード権、1億5000万円近い賞金も手にすることになります。鬼たちの居ぬ間に多くの選手にチャンスがあります。
昨シーズンはルーキーで唯一ツアーチャンピオンシップまで辿り着いた韓国のイム・ソンジェ。ルーキーイヤーはなんと35試合に出場しました。2番目に多い選手でも32試合。若いとはいえ驚異的なハードスケジュールをこなしました。
昨年のストロークゲインドのスタッツは全てプラス。ドライバーからグリーン周りまで全てにおいて穴がないという数値です。日本ツアーでやっていたときよりも距離も伸び、飛距離においてもPGAツアーの平均以上で、アメリカに渡ってさらに進化を続けている印象です。ケガさえなければ、2年目のジンクスを味わうことなく、今季は初優勝が期待されます。また年末のプレジデンツ杯メンバーに選出されるためにもスタートダッシュをかけたいところです。
昨年の全米アマ、全米オープンローアマを獲って6月にプロ転向したばかりのノルウェーのビクトル・ホブラン。大注目されるなかでツアーでも存在感を示し、入れ替え戦をしっかり勝ち上がってきました。
プロ転向してからPGAツアー5試合、コーンフェリーツアー2試合を戦って1度も予選落ちがなく、20位以下になったのも1度だけ。1番の強みはドライバーの巧さです。平均300ヤードを上回る距離を持ちながら、フェアウェイキープ率が昨シーズンは75%を超えました。
プロ転向した6月以降で言えばストロークゲインド・オフ・ザ・ティーの数値はマキロイよりも高く、スタッツ的にはPGAツアーで最もドライバーが上手い選手と言えます。ルーキーとして戦う今シーズン、先に勝ったマット・ウルフやコリン・モリカワらとともにどのような活躍をするのか注目です。
コーンフェリーツアーでポイント総合1位で上がってきたスコッティ・シェフラーもいきなり開幕戦から優勝争いをする可能性があると思います。ジュニア時代から全米にその名を轟かせ、テキサス大学4年間のうち3度オールアメリカンに選出されて、昨年卒業後にプロ転向しました。
今年コーンフェリーツアーで2勝を含むトップ10に10回入って賞金王になり、つまづくことなく順調にPGAツアーに辿り着きました。まだそれほど彼のゲームをしっかり見たことはありませんが、スタッツを見る限りでは距離も出るオールラウンダー。コーンフェリーツアー1位でツアーに上がってきた選手はみなここ数年はほぼ例外なく秋のスタートダッシュに成功しています。
2013-14シーズンから開幕は秋になりましたが、近年特に新年が明けるまでのフォールシリーズでいかにスタートダッシュするかというのが大事になってきている印象です。フェデックスカップ年間王者を争う選手にとっても、トップ125のシード権を争う選手にとっても、まずはこの秋のスタートダッシュを成功させることがキーとなりそうです。