ミスヒットに強く、球が強い
フェース面裏の黄色い突起「サスペンションコア」の作用により、フェースセンターの反発性能をルールギリギリに抑え、同時にフェースセンター周辺の反発性能を高めることに成功したというツアーB JGR。プロたちが次々にエースとして採用していることも話題となり、アマチュアの間でも話題になっているクラブだ。
今回はロフト角9.5度のモデルを試打。シャフトは純正の「TOUR AD for JGR TG2-5」を使用した。長さは45.5インチの50グラム台でフレックスはSを選択。
まずはアドレスした印象をノリーが語る。
「構えた感じアスリートっぽくていいね、カッコいい!」(ノリー)
1球目はとくに何も意識せずに打ったノリー。ヘッドスピードは44.9m/sで総飛距離は277ヤード。かなりつかまった球が出た。
「かなりヘッドがボールをつかまえてくれる感じだね。弾くんだけど打つ瞬間、ボールに吸い付く感じがある。手に残る感触はめちゃくちゃいいね」(ノリー)
2球目・3球目は低めの弾道でかなり強い球。どちらも打ち出し角は低めだ。
「初速が出る印象かな。50グラム台のSっていう固いシャフトでもヘッドの感触はかなり残る。もうちょっとヘッドスピード出しても耐えられそうだよ」(ノリー)
4球目は、メーカーからの売り出し性能でもある、オフセンターの強さ確かめるべく、ヒール目で打ったノリー。多少スライス気味になったが飛距離は273ヤードと変わらなかった。
「飛距離は落ちないし、なにより打感も(感触の良さの度合いが)落ちないんだよね。スピン量も変わらないから、ミスショットへの強さはありそう」(ノリー)
続いて中村修が試打。
ヘッドスピード40m/s前後ながら、1球目・2球目ともスピン少な目で240ヤードを超える飛距離が出た。
「スピン量がちょうどいい感じですね。どんどん振っていける。ただ、スピン量が多いわけではないので、ある程度ヘッドスピードがないとボールがドロップしやすいかもね。HS40m/sくらいだとロフト10.5度のほうが球が上がりやすくていいかな」(中村)
3球目はちょっとフェースの上の方に当たったミスヒット。
「スピン量が増えましたが初速は変わらず、それほど飛距離も落ちませんでした。打感も変わらず柔らかいままでした」(中村)
試打後、このクラブが合う人合わない人について2人が語った。
「しっかり打っていってもボールが左に行き過ぎることなく適度につかまってくれますので、ボールをしっかり叩いて打っていきたい人におススメですね。前モデルは極端にアップライトな見た目で、つかまりに特化したようなクラブでしたが、今モデルは見た目にもオーソドックスで、“ほどよくつかまる”クラブになっていますね」(中村)
とにかくつかまることがウリだったJGRだが、今モデルは少し趣を変えているようだ。ノリーは言う。
「このクラブ(Sシャフト)を使うならHSは最低40m/sくらいは欲しいかな。逆にHSが速い分には45m/sを超えても結構広い範囲の人が扱えると思う。ロフトとシャフトの選択に寄りますが、スウィングのリズムがゆっくりしていたり、スウィングが途中で止まっちゃうようなタイプの人だと球をつかまえにくいのでおススメできないかな」(ノリー)
更に中村からのアドバイスとして「スピンが多くないため、ロースピン系のボールを使っていると飛びは出る。ボールとのマッチングも意識してみたほうが良いですね」とのこと。
“ものすごくつかまる”スライサー御用達クラブから、“ほどよくつかまる”ドライバーへと変化してきた今回のツアーB JGR。初速性能、低スピン性能は高く、バランスのいい仕上がりと言えそう。つかまりすぎるのはちょっとなあと思っていた人も、試す価値がありそうだ。
協力:PGST