2019年シーズンはここまで22試合に出場し、予選通過は5試合。9試合連続予選落ちもあり苦しいシーズンを送っていた三浦桃香だが、ここにきて復調の兆しが見えてきた。シード権確保、そしてその先の初優勝に向け、明るい笑顔が戻ってきた三浦桃香にプロゴルファー・中村修が話を聞いた。

フックグリップのお手本のようなスウィングをしている

「いろいろ考え過ぎていたのでシンプルに行こうと思います。ショットは石井忍さんに見てもらっていて、良くなってきています。(今週開催のデサントレディース東海クラシックの恒例イベントの)土曜日のドラコンも出る予定です。ドライバーで飛ばすのは好きなので」(三浦)

画像: 平均飛距離252.40と5位の飛ばし屋・三浦桃香

平均飛距離252.40と5位の飛ばし屋・三浦桃香

明るい笑顔で答えてくれた三浦桃香選手。思うように成績が残せていないのが実情だと思いますが、高校時代までは短距離走でも長距離走でも負けたことがなかったくらいの運動能力の高い選手。ルーキーイヤーの昨年は最終日最終組でもプレーしていますし、地力はあります。

そして、ドライバーで飛距離が出せるということは、スウィングの効率は非常に高いということを意味します。その能力を生かしつつ、距離や方向性のコントロールのきっかけさえつかめば上位争いに絡んできてもおかしくありません。昨年のQT(予選会)ランク6位の実力は伊達ではないはずです。

では、そのスウィングを改めて見てみましょう。

画像: 画像A:グリップはややストロンググリップで握り、左腕を伸ばしながら遠くに上げている(写真は2019年のリゾートトラストレディス 撮影/小林司)

画像A:グリップはややストロンググリップで握り、左腕を伸ばしながら遠くに上げている(写真は2019年のリゾートトラストレディス 撮影/小林司)

グリップはややストロンググリップで握り、左腕を伸ばしながら遠くに上げていきます(画像A)。手足が長いゴルファーは腕と体幹部とがバラバラに動きやすいのですが、体幹部の回転量と腕の運動量がマッチしていて、バランスがとれています。トップのフェースの向きはフェースが空を向くシャットフェースで早い段階でボールをつかまえる動きを取り入れています。

画像: 画像B:ゆるやかな角度でボールをとらえるダウンスウィング(写真は2019年のリゾートトラストレディス 撮影/小林司)

画像B:ゆるやかな角度でボールをとらえるダウンスウィング(写真は2019年のリゾートトラストレディス 撮影/小林司)

画像Bのダウンスウィングを見ると、切り返し以降のタメが深くないため、軌道はゆるやかな円弧を描いています。ここでのポイントは左腕の長さが変わらずに手元と右肩の距離が変わらないところ。腕が振り遅れすぎると手元と右肩が近づく形になりボールにしっかりと力が伝えられなくなります。

切り返し以降、画像B右写真のポジションまで左肩と左腕で作る角度が変わらないことが、腕、手元の順に加速して最終的にヘッドを加速させる運動連鎖へとつながっています。

画像B右写真のグリップ部分を見ると、左手の甲は空を向いていますがフェースはしっかりとボールを向いて下りてきています。ストロンググリップで握るタイプのお手本になるスウィングです。

画像: 画像C:飛ばしの3要素、切り返しでのスライド、回転、地面反力のバランスが取れている(写真は2019年のリゾートトラストレディス 撮影/小林司)

画像C:飛ばしの3要素、切り返しでのスライド、回転、地面反力のバランスが取れている(写真は2019年のリゾートトラストレディス 撮影/小林司)

画像Cのフォローでは左足が真っすぐに伸び、地面反力もしっかりと使えていることがわかります。飛ばしの3要素と言われる、切り返しでのスライド(ホリゾンタル)、回転(トルク)、地面反力(バーチカル)のバランスが取れていて、方向性がよく飛距離も出せる効率のよいスウィングと言えます。

今大会中の二日目終了時に開催されるドラコン大会に出場し昨年は266.6ヤードを飛ばし見事3位に入っています。今季もデサントレディース開幕前時点で平均飛距離はツアー5位。スウィングのメカニックに問題はなく、100位の平均パット数、99位のリカバリー率といったあたりが良化したり、ハマることがあれば、一気に上位を伺う可能性を秘めています。

昨年デビュー直後に鮮烈な印象を残しましたが、まだ二十歳。ツアーに出場しながら経験を積み、様々な技術を吸収している真っ最中なのだと思います。同期の黄金世代が活躍する中で焦りもあるかもしれませんが、自分のペースで努力を続けて行けば結果はついてくるはず。

黄金世代10人目の優勝者になる可能性も十分ありますので引き続き注目していきたい選手です。

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