2週間ぶりの国内開催となる男子ツアー「パナソニックオープン」。注目はやはり、同じく2週ぶりにツアーに復帰する石川遼。今季ここまですでに2勝を挙げ、勝てば09年以来となる賞金王も現実味を増してくる。かつての輝きを取り戻した男の現状にプロゴルファーの吉田洋一郎が迫った。

 

スウィングスピード53m/s。キャリーで300ヤード超えを連発していた

「パナソニックオープン」練習日、その舞台となる東広野GCで久しぶりに石川選手に会ってきました。ちょうどドライビングレンジでドライバーの練習中。各選手、横一列で打っているだけに、後方からでもいかに石川選手の打球が他の選手よりも突出していたか、一目瞭然でした。

画像: 2週間ぶりにツアーに復帰する石川遼。今季3勝目を挙げれば、09年以来の賞金王の座も見えてくる(写真は2019年の「セガサミーカップ」 撮影/岡沢裕行)

2週間ぶりにツアーに復帰する石川遼。今季3勝目を挙げれば、09年以来の賞金王の座も見えてくる(写真は2019年の「セガサミーカップ」 撮影/岡沢裕行)

ちょうど弾道測定器「トラックマン」で何やら計測中で、少し近づいてのぞかせてもらったところ、弾き出されていた数値は、キャリーで305ヤード、トータル330ヤード、スウィングスピードは53m/s。ドライビングレンジは、270ヤードの看板の後ろは山の斜面になっていて、石川選手が放つ打球は、その看板のはるかに上を通過。山の斜面に次から次へととブチ当てていて、並んで打っている他の選手も明らかにその規格外の飛距離に、反応している様子でした。 

トレーニングの成果で、理想のスウィングが「できていた」

明らかに体も大きくなっている石川選手。どんなトレーニングを積んでいるのか、練習ラウンドへ向かう途中の石川選手に話を聞くことができました。

「(ウェートトレーニングを)計画的にやるようになって、体重も2キロ増えました。最近は『腕も太くなった』って言って下さる方も多いです。ベンチプレスとかもやってますからね」(石川)

トレーニングメニューも、「どこを強化すべきか?」を念頭に鍛えてきたようです。

「その部分で言えば下半身、とくに体の裏側ですね。とくに下半身のヒラメ筋とハムストリングの部分です」とのこと。

そして、そのトレーニングの成果はスウィングにも表れています。

画像: 写真は左が2019年の「セガサミーカップ」(撮影/岡沢裕行)、右が2018年の「中日クラウンズ」(撮影/姉崎正)。注目は左足だ

写真は左が2019年の「セガサミーカップ」(撮影/岡沢裕行)、右が2018年の「中日クラウンズ」(撮影/姉崎正)。注目は左足だ

画像Aをご覧ください。左は今年の「セガサミーカップ」、右が18年の「中日クラウンズ」のもの。ダウンスウィングのほぼ同じタイミングの写真ですが、左右で異なるのが下半身、とりわけ左足です。

右の写真は、左足がターゲット方向に流れてしまっていますが、左の写真はまだ左足が踏ん張っている状態、言わば、地面の反力を感じながらエネルギーを上から下へと伝えられている状態をキープしています。

「ようやく思い描いていたスウィングができるようになってきました。その今のスウィングは、最近になって、ということではなく、けっこう前からやろうと思っていたことでもあるんです。それが『スウィングのこの部分をどうしよう』とか考えたからできたというわけではなく、気がついたら『できていた』という感じなんです」(石川)

そんな話からも、トレーニング効果が、きっちりと理想としたスウィングに跳ね返ってきているのではないかと感じさせられます。

話を聞かせてもらった最後には来月、日本開催のPGAツアー「ZOZO CHANPIONSHIP」の話題にもなりました。もちろん、石川選手も出場予定。2017年まで主戦場としていただけに、石川選手自身が"今の自分の現在地”を知る絶好の機会ととらえている様子で、そこに向けた準備も着々と整ってきていることを感じました。

キャリー300ヤード超の飛距離を手に入れた新生石川遼の活躍、今後も目が離せません。

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