関東近郊の河川敷コースは大きな被害。荒川、多摩川流域のコースは‟水没”
ゴルフ場にも深刻な被害をもたらした台風19号。とくに、神奈川、東京を流れる多摩川や、埼玉から東京へと流れる荒川河川敷や東京の江戸川など、河川敷周辺に立地しているゴルフ施設やゴルフ場は水没したコースも多い。
各コース、現在の被害状況や、コース復旧などの情報をHPなどで告知しているが、再開までの道筋は、コースによって様々。神奈川の湘南海岸の海岸線に位置する茅ヶ崎GCでは、1番、3番ホールにある防球ネットが破損。通常「パー4」のホールを「パー3」に短縮して、何とか営業を再開したという。
とくに被害状況が深刻なのは、多摩川周辺と、荒川周辺のコース。2つの河川はこの台風により各所で氾濫。水没したコースも多く、現在はヘドロを含んだ水が引くのを待っている状態で、営業再開のメドすら立っていないコースがほとんど。
赤羽GCは今月中のクローズを発表したほか、越谷GCは20日まで、大宮国際CCは22日、リバーサイドフェニックスGCは25日までクローズの措置をとって復旧作業に当たるという。だが、現在もコースに大量の水が残っているために「どの程度の被害なのかもわからない」(ゴルフ場関係者)状況。被害状況によっては、営業再開が大幅に遅れる可能性もある。
また、営業再開にむけた取り組みと言ってしまえば、簡単だが、それにむけて当然、膨大な経費や予算も当然、かかる。コースとしては想定外とも言える出費になるだけに頭が痛い。
東京・足立区の荒川河川敷に隣接する「新東京都民ゴルフ場」もコースのほとんどが完全に水没してしまった。早期の復旧へと一時はHPにボランティアを募集して、早期の営業再開へと意欲を見せていたが、「それどころではない」状況だという。
「今日もコースを見てきましたが、まだ川の水に沈んだまま。ちょっとそれ(営業再開)どころじゃなかった。ボランティア募集もちょっとストップします。コース存続の危機。しばらくHPも閉鎖しようと思います」(三島支配人)
被害状況が明らかになるにつれて、被害の深刻度も増してきている今回の台風19号の猛威。今は各コースの1日も早い完全復旧を祈るばかりだ。