女子はG410、男子にはG400MAXが人気
男子ツアーで主だった契約フリー選手を挙げると、池田勇太を筆頭に、岩田寛、嘉数光倫、上井邦裕といった名前が思い浮かぶ。その中で、岩田、嘉数、上井、Y・E・ヤンらは全員同じドライバーを使用している。それが、ピンのG400MAXだ(池田はエピックフラッシュ、スリクソンZ785などを使用し、日本オープンの会場では新しいJGRをテストしたという)。
ピンのドライバーというと、渋野日向子がそれを手にAIG全英女子オープンを制したことで「G410プラス」が大人気となったのは記憶に新しいところ。G400MAXは現行モデルながら、シリーズとしては前シリーズのG400シリーズに属する一本。ではなぜ、男子プロはこちらを好むのか。嘉数は言う。
「もともとあんまり曲がるタイプではありませんが、G400MAXは直進性が高いし振っても曲がらない。だから安心して振れるんですよね」(嘉数)
実際、G400MAXのヘッド体積は460ccで、G410プラスの455ccよりもわずかながら大きい。それにより、「曲がりにくさ」の指標として用いられるヘッドの慣性モーメントの数字もシリーズ最大となっているのがG400MAXのウリ。
ピンの契約プロの大槻智春が「曲がらない安心感が大きい。もちろんG410もテストして飛距離が伸びていることも理解しているが、実際のトーナメントで使える安心感はMAXのほうが大きい」と語ってくれたように、飛距離の出る男子プロにとっては、G400MAXの“曲がりの少なさ”がメリットとなるようだ。
また、男子プロの中には前作のG400やG400LSTからG400MAXに移行したという選手が多いのに対し、女子プロの多くはG400からG400MAXを経ずに、G410プラス、あるいはG410LSTへと移行しているケースが多く見られるという。
よりスピンを減らせるヘッドで飛ばしたい女子プロと、より慣性モーメントの大きいヘッドで曲げずに飛ばしたい男子プロ。それぞれのニーズによって、選ぶクラブも変わってくるところが面白い。
では我々アマチュアは……というと悩ましい話になるが、G410プラスが“しぶこ効果”で人気のなか、価格も若干安いG400MAXは「意外と狙い目」ということは言えるかも。