本日から開催されている日本オープンに参戦しているアダム・スコット。その練習日、取材班がアダムのドライバーショットをトラックマンで計測することに成功! トッププロのデータをじっくり読み解いてみよう。

ヘッドスピードは53.9m/s。5年で約3m/s伸びている!

今年の日本オープンには、USPGAツアーで活躍するオーストラリアの強豪アダム・スコットが来日する。スコットの出場は2年連続で5回目。

画像: 日本オープン練習日、アダム・スコットのドライバーショットをトラックマンで計測した

日本オープン練習日、アダム・スコットのドライバーショットをトラックマンで計測した

日本オープンの練習日に、彼のショットを弾道計測器「トラックマン」で計測することができた。そのドライバーショットのデータが写真A。これをトラックマン日本担当の篠塚佳昭氏に分析してもらった。

画像: 写真A:アダム・スコットのドライバー計測結果

写真A:アダム・スコットのドライバー計測結果

篠塚氏は、オーストラリアに留学していた高校時代、スコットとはゴルフ部のチームメイトであり、寝食を共にしたルームメイトでもあったという旧知の仲。スコットのスウィングを若いころから知る存在でもある。

「このドライバーショットは少し当たりがよくないのですが、基本的なデータは彼のショットの特徴をしっかりとらえています。特筆すべき点は、まずはクラブスピード(=ヘッドスピード、HS)でしょう。アダムのドライバーのHSは53.9m/秒。この数字自体おそろしく速いですが、5年前に計測したときに51m/秒前後でしたので、この5年で約3m/秒もアップしていたのでとても驚きました」(篠塚氏)

画像: トラックマンによる弾道イメージ。316.2ヤード飛ばしながらも、とにかく曲がらない

トラックマンによる弾道イメージ。316.2ヤード飛ばしながらも、とにかく曲がらない

現在、PGAツアーでは平均HSが毎年上がっているというが、スコットもその例に漏れず40歳を前にしてHSが伸びているというのだ。篠塚氏は、その理由をデータを分析しながらの練習と、フィジカルトレーニングにあると分析する。

「アダムは恒常的にトラックマンでデータ計測を行いながら練習しています。どうやったらHSが上がるのか、どうスウィングすれば効率がいいのかを、感覚だけではなくデータで確認しながらチェックしている点は大きいと思います。そしてこの年でもパワーアップトレーニングを怠らずにハードワークしています。ブルックス・ケプカやキャメロン・チャンプのようなパワーヒッターに負けずに第一戦で戦うためには、PGAではもはやトレーニングは不可欠なんです」(篠塚氏)

PGAツアーの選手はコントロールしながら300ヤード以上飛ばしている

そして、このHSでありながらドライバーのアタックアングル(入射角)がマイナスである点も注目だという。つまりドライバーでも1.1度のダウンブローでボールをとらえているのだ。

「ただ飛ばすだけなら、プラスのアタックアングル、つまりアッパー気味にボールをとらえたほうがHSも上がりやすいですし飛距離は出ます。でもボールをコントロールして精度の高いショットを打つには、ダウンブローのほうが有利なんです。実際、ドライバーのアタックアングルは、日本の女子ツアーではほとんどの選手がプラス(アッパー)ですが、PGAツアーではマイナス(ダウンブロー)です。アダムもこの例に漏れませんが、精度を重視してダウンブローにボールをとらえながらこのHSを出している点がすごいと思います」(篠塚氏)

画像: 日本オープン練習日もアダム・スコットはトラックマンでデータ計測しながら練習を重ねていた

日本オープン練習日もアダム・スコットはトラックマンでデータ計測しながら練習を重ねていた

実際スコットは、スウィング自体も飛距離よりも方向性を重視しているという。

「アダムはフェースの開閉を抑えてスウィングするタイプですので、傾向としては方向性重視です。実際、クラブパスはほぼオンプレーンですし、フェーストゥパス(軌道に対するフェースの向き)もほぼスクェア。本当にボールがねじれない、真っすぐな弾道で飛ばします。ちなみにアダムは、バックスウィングを少しアウトサイドに上げてインサイドから下ろす感覚があるそうですが、軌道自体はそれでスクェア。これも、トラックマンのデータを見ながら、自分の感覚と実際の動きのギャップを埋めながらスウィングを作ってきた成果だと思います」(篠塚氏)

方向性を重視し、芯を少し外しても316ヤードもの飛距離を出すスコットのスウィングは、もはや別次元というレベル。今年の日本オープンでは、このデータを踏まえてスコットのショットを見てみると面白そうだ。

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