9ホールの戦いを制したのは……!?
本日から始まる「富士通レディース」の練習日、会場の東急セブンハンドレッドクラブの練習グリーンでひときわ目立っていたのが、穴井詩と成田美寿々。どうやらグリーン上で“パット戦”を行っているようだ。穴井は言う。
「(成田とは)初めてやりました。いつもは違う選手とやることが多いです。よくやるのは西木裕紀子ちゃん。先週は練習ラウンドで一緒だった武尾咲希ちゃんとマッチプレーしました」(穴井)
練習グリーンでの“パット戦”は穴井にとって日常茶飯事のようだ。
基本的には9ホールマッチで、少ない打数で上がったほうの勝ちというルール。しばらく見ているとカップを少しでもオーバーすると「オーバー!OBだ!」「打ち直し~」という声が聞こえてくる。あれは一体どういうことなのか。
「今日はカップをオーバーしたらOBでした。その日によってキャディさんがショートだったらOBとか、オーバーだったらOBとか決めてくれているんです。OBだった場合は1打ペナルティで打ち直しです(笑)」(穴井)
1メートルのショートパットも「オーバーしたらOB」となると“遊び”とはいえ軽くシビれる。なかなかシビアなルールだ。実際、楽しそうな雰囲気の中、時折張り詰めた緊張感も感じられた。
さて、気になる勝負の結果は?
「9ホールマッチで、最後2OB、8打差ついて負けました(笑)」(穴井)というわけで、勝負は成田の勝ち。勝利の瞬間の成田の渾身のガッツポーズからも、真剣度がうかがえる。
惜しくも勝負に敗れはしたが、穴井の今シーズンのスタッツを見るとパーオンホールでの平均パット数が54位(1.8453)から16位(1.8098)。平均バーディ数が18位(3.2072)から6位(3.5431)とそれぞれジャンプアップしている。
バーディ数増加はもちろんショットの影響も大きいが、バーディチャンスをしっかり仕留め打てていることがスタッツからもわかる。遊び感覚で取り入れている実戦形式の“パット戦”がこの好結果に一役買っている可能性もあるだろう。
今日から始まる「富士通レディース」、穴井詩のグリーン上に注目だ。
取材大会/富士通レディース 撮影/小林司