20ヤードのアプローチは「下手投げ」のイメージで
ルー:ゴルフ大好き、貴方のルー大柴でございますけどもね。第3回目(過去2回はドライバー編、アイアン編)ということで、だいぶ美奈瀬プロともトゥギャザー感が出てきましたけど。今回は何を教えていただけるんですか?
小澤:スコアに直結する、グリーン周りからのアプローチをやってみたいと思います。ルーさん、15年前にゴルフをやられていたときアプローチはどうでしたか。
ルー:アプローチ、ホント難しいですよねぇ。一番苦手でした。若い頃は力の入れ具合が分からないから。
小澤:今日は、サンドウェッジ(SW)を使って20ヤードのアプローチをやっていこうと思います。
ルー:20ヤードですか。
小澤:はい。ちょうどグリーンに乗らなかったというときの距離を想定しています。
ルー:なるほど。そういうことですか。
小澤:じゃあさっそく打ってみましょう。
――何球か打つものの、オーバーしたりショートしたりと、なかなか距離感が安定しないルー。ここで美奈瀬がレッスン開始。
小澤:ルーさんの今の構えはボールを遠くへ飛ばす時と同じ構えをしているんですね。これだと20ヤードという距離に対してクラブの振り幅が自然に大きくなって距離が出過ぎたり、それを怖がって途中でゆるめてショートしたりして、距離のバラツキが出やすいんです。20ヤードくらいの距離だったらクラブを少し短く握りボールの近くに立って、コンパクトに構えたほうがいいと思いますね。そうすればスウィングもコンパクトになり、緩むこともないので、距離感が合ってくると思います。
ルー:わかりました。じゃあやってみます。
小澤:どうですか、さっきより球が高くフワッと柔らかく上がっているのがわかりますか。
ルー:ええ、わかりますでございますよ。
小澤:コンパクトに構えて、手でポーンと投げるような感じで打つと、フワッとしてグリーン上で止まってくれる球が打てるんですね。
ルー:エッ、手で投げていいんですか?
小澤:いや、ダメです(笑)。でもそんなイメージで打ってもらえたらいいと思いますね。
ルー:オーケー、わかったよ小澤ちゃん。
SWをPWに変えてみよう
――構えを変えることで距離感は安定してきたが、やはりショート気味なルー。
小澤:今はSWで柔らかい球で大体12ヤード地点にボールが落ちて、そこから転がって20ヤードの少し手前に球が止まっていましたよね。そこで今度は、SWをピッチングウェッジ(PW)に替えてみましょうか。PWでもさっきと同じように、小さく構えて、コンパクトに振っていきましょう。同じ振り方でもロフトが多い分、球が前に進んでいくので20ヤードピッタリに届くと思いますから。
ルー:過去にそんなこと全然教えてもらえなかったじゃないのさ、やっぱりプロに教えてもらえるっていいな~。
――PWで打つと、ピンよりやや左側へズレたものの、距離はぴったり20ヤード!
小澤:いいですよ、距離ピッタリです。
ルー:もうちょっと右のほうだったね。
小澤:うん、もうちょっと右だったら入ってましたね(笑)。
――距離感が合ってきたので、次は打ち出し方向を安定させるためのワンポイントアドバイス。
小澤:今見ていると、ルーさんはフィニッシュでヘッドをヒョイと持ち上げてしまっているので、ターゲット側にヘッドを出すように振ってみましょう。
ルー:それはホワイ? どうしてですか。
小澤:これだけ短い距離でヘッドが持ち上がると、方向性も距離もズレてしまうことが多いんですね。ヘッドをターゲットに対し真っすぐに出し、腰の辺りで止めることで、方向性と距離感が合ってくるんです。アプローチだけじゃなく、アイアンショットなんかも、このようにクラブをターゲット方向に出し腰の辺りで止める打ち方を「ライン出し」といって、方向性が凄く良くなるんですよ。
ルー:アイアンダースタンド、分かったでございます。
――さっそくライン出しを意識して再度アプローチに挑戦するルー。すると飛距離19ヤード、ピンそばに寄ったナイスショット!
小澤:おー良い感じです!
ルー:良い感じでしょ。ピッチングのルーと言われていたんですよ。
小澤:あ、そうだったんですね。
ルー:なんか楽しくなってきちゃったなぁ。私のピッチングでのアプローチ、どうですか?
小澤:良かったです。拍手喝采でした。
ルー:ところで先生。一人でハウスでもできる、アプローチが上手くなるようなドリルとかってありませんか?
小澤:そうですね。先ほど言ったように、アプローチは「ボールを手で投げるようなイメージ」で練習すると良いと思います。距離感って、ごみ箱に紙屑をポンと投げるイメージとか言われますよね。お庭があれば、実際にボールを距離を変えながら投げてみたり、部屋の中でやるとしたら柔らかいスポンジのボールなんかをポンと投げてみるのも距離感を身に付けるのにはいいかもしれませんね。
ルー:なるほど。
小澤:あとは、クラブを持たずにシャドースウィング。ボールを上げたいときは、「ゆっくりと大きな振り幅」で振ってみたり、転がすときは「小さめの振りで少し速いスピード」で振ってみたり、スピードと振り幅をイメージしながらやるとイイと思います。
ルー:あ、駅の電車待ちの時なんかに、シャドースウィングをやると良いかもしれないですよね。
小澤:良いと思います。このシャドースウィングの時も、先ほど言った「フィニッシュでヘッドをターゲットに真っすぐに出していく」というイメージを忘れないようにしましょうね。ちょっと私が反対側に立っていますから、フィニッシュで右手同士で握手をしましょうか。
ルー:ちょっと、そんなことできませんよ! ドキドキするよ♡
小澤:いやいや、フィニッシュで右手をココに出してくとイメージ付けをするための握手ですから。
ルー:あ、なるほどね。でも、コレすごくわかりやすいですね。
小澤:フィニッシュでナイストゥミーチュー!
ルー:ハーイ、ナイストゥミーチュー! これならハウスでもイージーに出来ますからね。
小澤:今日は、小さく構えてSWで柔らかい球を打つ、ピッチングで中弾道の球で転がるランも入っていくというテーマでアプローチをやってみました。いかがでしたか?
ルー:さすがプロですね。分かりやすいレッスンでした。今度ラウンドする時、やってみようと思います!
撮影協力/104ゴルフアカデミー 衣装協力/ブリヂストンゴルフ