5350g・cm²の大慣性モーメントと37度の大重心角の実力は!?
2019年9月に発売となったプロギアのeggシリーズ最新ドライバー、「NEW egg 5500」と「NEW egg 5500 impact」。37度もの大重心角でボールをつかまえ、5359g・cm²もの大慣性モーメントでミスヒットへの強さも併せ持ったヘッドで、やさしくつかまえて飛ばすドライバーとなっている。
通常モデルとインパクトの大きな違いはシャフトの長さ。シャフトはどちらも「M-43」のSフレックスだが、通常モデルが45.25インチなのに対し、インパクトは1インチ短い44.25インチとなっている。この違いが結果にどう表れるのか。さっそく見ていこう。
幅広いゴルファーに対応した「NEW egg 5500」
「構えたときの見え方が特徴的で、ちょっとオフセットっぽく見えますね。見た目からしてつかまえてくれそうです」(ノリー)
NEW egg 5500を構えたノリーはそう評する。
「あと(ヘッド後方の)色が変わってるじゃないですか。そのおかげか、大きさをそんなに感じないですね」(ノリー)
ノリーにはパワーヒッターが打つことを想定し、ヘッドスピード45m/sくらいで打ってもらった。1打目はキャリー250ヤード、トータル269ヤード。打ち出し角は14.2度。ヘッドスピード44.2m/sに対し、ボール初速は66.6m/s。スピン量は3043rpmという結果となった。
「弾きますね。ヘッドスピードに対して、ボール初速が出ていますよ」(ノリー)
つかまりの良さそうな見た目から、「1球目は少し逃し気味に打ってみました」というノリー。2球目は素直に打ってもらうと、やはりつかまってくる。
「素直に打つとやはりつかまってきます。そうするとスピン量も減ってきますね。打音からして弾き感がすごいし、シャフトの動きとヘッドがうまくリンクしているというか、合わせやすい感じがしますよね。インパクトへかけてフェースが閉じてくるんですけど、インパクトではストレートにとらえてくれます」(ノリー)
続いて、NEW egg 5500を手に取った中村。
「通常モデルは45.25インチ。インパクトより1インチ長いのですが、一般的なドライバーと比べれば短い部類。構えてもそんなに長くは感じないですね。オフセットは入っていますが、フェースの向きはすごくストレートです」(中村)
中村にはヘッドスピード40m/sくらいのアベレージゴルファーをイメージして打ってもらった。1球目は、ターゲット方向へストレートに飛んでいく。キャリー225ヤード、トータル250ヤード。打ち出し角は15.2度。ヘッドスピード40.6m/sに対し、ボール初速は63.4m/s。スピン量は2348rpmという結果となった。
中村が打つ様子を後方から見ていたノリーも思わず「パーフェクトな数値。最大飛距離効率ですね」と驚く。
「(ヘッドスピード)40m/sでも全然大丈夫ですね。ある程度しっかり感を感じられます。方向性も良いです」(中村)
続けて数球打つ中村。いずれも大きく曲がることはなく目標センター付近へと飛んでいく。
「当たりどころは何ミリかずつ(芯から)ズレてるとは思うんですけど、ボール初速は落ちていません。大慣性モーメントというのもありますが、シャフトの性能のおかげというのもありそうですね」(中村)
1インチ短いけど、通常モデルより飛んじゃった!? ミート率特化の「インパクト」
続いて試打するのは「NEW egg 5500インパクト」。通常モデルよりシャフトを1インチ短い44.25インチにし、ミート率をさらに高めたモデルだ。ヘッド性能自体は通常モデルとほぼ同様だが、短尺にしたことによるバランス調整のためか、ヘッド重量が約6グラム重くなっている。
さっそく「インパクト」を構えるノリー。シャフトの長さが変わるだけで見た目の印象も大幅に変わるという。
「めっちゃ短っ! (構えると)ヘッドがすごく大きく見えます。これは絶対当たる! って思えますね」(ノリー)
先ほどと同様、ヘッドスピード45m/sで打つノリー。シャフトが短いぶん飛距離が若干下がるのではと思われたが、ノリーの試打結果を見ると、総飛距離274ヤードとむしろ上がっている。
「あれ、インパクトのほうが振っていけますね! 短いからか、しっかり振りにいきたくなるっていうのも大きそうです。打ち出し角12.3度と通常モデルより弾道は少し低めですが、飛距離はこちらの方が出ています」(ノリー)
その後続けて何球が打ったが、やはりインパクトの方が飛距離を出す結果となった。
「球が(通常モデルより)強いです。全然違いますね。短い方が、どうなんだろう、自分には合っているんですかね。一般的には(シャフトが)長い方が距離が出ると言われていますが、切り返しのタイミングなど色々な要素を考えるとそんなことないんでしょうね」(ノリー)
続けて、NEW egg 5500インパクトを打つ中村。こちらも通常モデルと同様にヘッドスピード40m/sで打ってもらった。
「弾き感が強いです。球も曲がらない。ヘッドスピード40m/sくらいで打って非常に良い数値が出ますね」(中村)
試打結果はキャリー226ヤード、トータル252ヤード。打ち出し角は15.7度。ヘッドスピード40.3m/sに対し、ボール初速は60.4m/s。スピン量は2160rpmとなった。
「(通常モデルよりも)スピン量が収まって打ち出し角も下がるかと思ってましたけど、そんなに下がらないですね」(ノリー)
45.25インチの本間ゴルフ「T//WORLD XP-1」など、トレンドとなりつつある短尺あるいは“ちょい短尺”ドライバー。45.75インチが標準的な長さになりつつあるなか、やはり打ちやすさは際立つ。そして、メーカー側が短尺をあらかじめラインナップしてくれているというのは非常にありがたいと中村は言う。
「意外と短尺シャフトってなかなか売っていないんです。しかしカットしたシャフトを用意してシャフト交換で短尺仕様に変えようとすると、ヘッドとの重量バランスが崩れてしまったりと問題が起きることもあります。なので、最初から短尺シャフトを前提にクラブが設計されているのはありがたいですよね。実際に打ってみて、重心角のおかげでボールをしっかりつかまえてくれるし、かといってどフックになるということもないです。非常にコントロールしやすいし、ミート率も高い。褒め言葉ばっかりになってしまいましたけど、それだけ良いクラブでした」(中村)
2モデルの試打を終え、最後にずばり「選ぶならどっち?」と両者に聞いてみた。
「僕は短尺のNEW egg 5500 インパクトをオススメします。重量は軽いけどしっかり感もあるし、結構振っていけますよ。今回ヘッドスピード45m/sくらいで打ってみて、もう少し硬いシャフトに替えるともっと良いかもと思いました」(ノリー)
インパクトを推すノリーに中村も同意する。
「たしかにインパクト、良かったですね。とくに方向性に関しては、インパクトを使う価値アリです。対して通常モデルは、もともと狙った方向に打ち出せるゴルファーにオススメです。スウィングで言えば、ゆったり振るタイプに合っていますね。方向性があるなら通常モデル、不安ならインパクトを試してみるといいでしょう」(中村)
協力/PGST