7名の契約フリー女子の使用クラブを調査!
女子ツアーも残り5試合。今バックに入れているドライバーこそ、今シーズンのエースと呼ぶにふさわしいハズ!契約フリーの女子プロ7名に話を聞いた。
今シーズンの平均飛距離1位の穴井詩を始め、成田美寿々、金田久美子、藤田さいきの4選手が選んだのはキャロウェイ「エピックフラッシュ」シリーズ。穴井、成田、金田は「エピックフラッシュ サブゼロ」。藤田さいきは「エピックフラッシュ」を選んでいる。
選んだ理由を聞いてみると、面白いことに4人とも同じで「飛んで、曲がらない」からだという。なかでも印象的だったのは藤田さいきだ。
「私は結構球が高いほうなので、どうしても雨の日は(ボールに)泥とかついちゃうんですけど、(エピックフラッシュに変えてから)球の高さは変わらず、スピン量が抑えられてランが出たんです。去年から10~15ヤードくらいは伸びましたよ」(藤田)
元々飛ぶ選手の藤田だが、去年から飛ばなくなってきたと悩んでいたようだ。クラブを変えて昨シーズンの平均飛距離は242.94ヤードと22位に対し、今シーズンは248.23ヤードと11位にジャンプアップに成功。ランが増えたことで、ボールに泥がつくことも減ったようだ。
また、成田美寿々はクラブを選ぶ上で大事にしているポイントは本来「顔と打感」だというが、『色々テストさせてもらったんですけど、明らかにこれ飛んでる~!と初めて思った』(成田)と、このエピックフラッシュ サブゼロに関しては飛距離が選んだ決め手だったという。また、まだ採用には至っていないが、ヤマハのRMX120もテスト中なんだとか。
稲見萌寧と、エイミー・コガの2選手が選んだのはテーラーメイドの「M5」。
クラブ選びの基準は「顔が良くて、次に打感が良くて、ボールの飛び方が良いクラブですね!」という稲見だが「M5は顔と音がいいですね。一番は音。飛び方も大事ですが、顔と音がいいから、あんまり良くなくても良く見えます(笑)」と選んだ理由を教えてくれた。
エイミー・コガは“方向性の良さ”が選んだ理由だと話す。「去年(前作のM3とM4)からツイストフェースになって、凄く打ちやすくなって、あんまり曲がらない。右とか左に出て、やばい!と思ってもラフで止まってくれたりする」(エイミー)と契約しているわけではないが、16歳ぐらいからテーラーメイドを使用していることもあって信頼度が高いそうだ。
さて、最後に登場するのはツアー代表する飛ばし屋の一人、葭葉ルミだ。
「今シーズンあんまりドライバーが良くなくて、正直距離を求めたいんですけど、振りやすさ重視で(ドライバーを選び)、直進性が前よりよくなったと思います。マネジメントするにはドライバーが大事なので、なるべく飛距離が出て、曲がらないドライバーを選びました」(葭葉ルミ)
葭葉は以前「RODDIOタイプM LOW」を使用していたが、スタンレーレディスからは「オノフ クロ」をバッグインしている。RODDIOのヘッド体積が440CCで、オノフは460CCと大きさがかなり違うが、「見た目も全然違うんですけど、構えたときも違和感なく振り心地もよかった」と葭葉はいう。
7名の契約フリー女子プロの意見を聞くと、「顔と打感」が決め手だと話した稲見以外は“飛距離”や“曲がらないこと”を基準にドライバーを選んでいた。プロは顔や打感、操作性の良さを求める……というのは今や昔。女子ツアー選手たちは“感覚”ではなく“結果”でクラブを選んでいるようだ。
来シーズン彼女たちはどんなクラブを使っているのか? 引き続きフリー契約選手のドライバー事情を追っていきたい。
撮影/小林司