自分のティアップの高さが何センチか、知っていますか?
みなさんこんにちは、ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。僕はドライバーショットがあまり得意じゃなくて、その日のスコアはドライバーショット次第的なところがあるんです。飛ぶ飛ばないはいいとして、曲がってしまった日はなかなかスコアを作るのが難しい。もちろん飛距離はほしいですが、やっぱ2打目がちゃんと打てるところにしっかりとボールを運べる安定感が欲しいわけですよ。
毎回同じショットを打つのにはどうすればいいのかな~と考えながら、週刊ゴルフダイジェストの11/5号を見ていると、ちょっと気になる記事がありました。それが「『ティアップ』大研究」というページ。「うそ! これだけで10ヤードアップ!?」とも書いてあります。記事の中ではティアップの高さやティの形状についていろいろ書かれていますが、僕が気になったのはティアップの高さ。
いつもなんとなくティアップして打っていて、何センチくらいの高さで打っているのかなんて考えたことがなかったもんね。ってことで、自分にはどんなティアップの高さが合っているのかを、弾道を計測しながら試してみました!
記事によると、プロゴルファーでもティアップの高さはいろいろ。今回の調査では一番低いのが臼井麗香プロの2センチで、一番高かったのが中里光之介プロの4.9センチでした。男子プロの平均が3.7センチで、女子プロの平均が3.54センチ。平均値はだいたい男女とも同じような感じですね。
で、僕はというと、測ったことがなく、自分が何センチくらいのティアップで打ってるのかなんて分からない。ただ、あまり低いとボールが上がらないような気がするし、打ち込みに行っちゃって上体が突っ込むような感じもするんですよね。なので、自分としては少し高いティアップで打ってるんじゃないかと思うんです。
で、自分がどのくらいのティアップで打つのが気持ちいいのか、そしてどの高さだとどういうショットになるのかを計測するために3種類の高さのティを用意しました。地面から3センチ、4センチ、5センチの高さのティで打ち比べてみます。
まずは3センチのティアップ。これは僕的には少し低く感じます。ドライバーヘッドの一番高いところよりも、ボールが三分の一くらいが出てるくらいの高さでしょうか。たぶん僕は普段はこれよりも高いティアップで打っているはず。
ティアップが低い分、なんだかトップしてしまいそうな感じがして少し不安になります。ついついボールを上から叩きに行ってしまい、体が突っ込みそうな感じも。そうならないように気をつけながら打ちました。
僕はもともとタメがなくて、リリースが早いので球が上がってしまう傾向にあります。ハンドファーストに打ててないということ。なのでスピン量も少し多め。3センチという自分的には少し低めだと思ったティの高さでも、18度という高打ち出しになりました。
おそらくフェースの下目でインパクトしているのでスピン量も3306回転と多めです。でも意外なことに10球くらい打ちましたが、飛距離も方向性もけっこう安定していました。そんなに飛んでいる感じではないですが、ほぼフェアウェイに行っているんじゃないかという感じです。2発くらい上体が少し突っ込んで低めのフック系のボールが出ましたが、それでもフェアウェイ左サイドで収まるかな~というような感じでした。
次に4センチのティアップ。普段の僕のティアップに近い高さのような気がしますが、ほんの少し高めかなとも思います。ヘッドよりもボールが半分くらい上に出ているくらいの高さですね。構えたときにはほとんど違和感がありません。これなら少しだけアッパーにインパクト出来るような感じがします。
はい、さっきよりも確実に飛んでいますね。ちょっとつかまりすぎて左に曲がっちゃっていますが、大怪我するほどの曲がりではなさそう。打ち出し角は20度とちょっと高すぎますが、バックスピン量は1992回転となかなかの低スピンになりました。ちょっとアッパーに入りすぎたのかもしれませんが、もう少し打ち出し角が低くなればかなりいい弾道だと思います。
やはり慣れている高さに近いということで、構えた時に違和感がないということで気持ちよく振り抜けた結果なのかもしれません。ただ、さっきの3センチのティアップの時よりも今回のほうがショットに少しバラツキがありました。うまく捕まえられたときはこのデータのような軽いドローで飛距離も出たのですが、少しタイミングがずれてスライス回転で右に曲がっていく球も出ました。少しインパクトのタイミングがブレているような感じです。
最後に5センチのティアップ。これは構えた瞬間に「高っ!」っていう感じです。天プラしてしまうんじゃないかと不安になっちゃいますね。ヘッドよりもボールが8割くらい上に出ているような高さです。構えるとヘッドの高さよりもずいぶん高いところにボールがあるように見えます。
しかし、これは一番飛距離が出ました! 上手くアッパー軌道で打てたようで、ほぼ真っすぐの弾道で打ち出し角もちょい高めですがまあまあです。ボールが高いところにある分、当てに行くような意識が少なくなって、最後まで振り切れているのかもしれません。
ただ、やはりインパクトの軌道が安定しません。左にも右にも飛び出すし、弾道の高さも高くなったり、逆に低くなったりします。一発の飛びはこの高さのティアップが一番ありそうですが、安定感がイマイチでOBさえありそうなくらい曲がったショットもありました。
こんなショットも出てしまいました。完全にフェースが開いてインパクトしたと思われ、右に飛び出してスライス。スピン量も4000回転を越えています。いくら当たれば飛ぶティアップでも、こんなショットも出るようではラウンドでは怖くて使えないですね。このティアップの高さで安定したショットをするためには、かなりスウィングも安定していないと難しいんじゃないでしょうか。中里光之介プロの4.9センチというのはプロだからこその高さだと思います。
今回3種類の高さのティアップを試しましたが、結果的には一番低い3センチが弾道的には安定していたけど、やっぱ高いティアップのほうが飛距離は出るということになりました。その間くらいで、まあまあ飛ぶし安定感もそこそこ良いってのを選ぶとすると、今回一番低かった3センチと次の4センチの間、3.5センチくらいがいいのかなという感じですね。
女子プロの平均の高さとほぼ同じということになりました。これはその人のスウィングや球筋によって変わってくるので、みなさんも一度練習場で試してみて、自分に最適な高さを見つけたほうが良いと思います。その高さが見つかれば、あとは毎回その高さでティアップできるように練習するといいですね。この記事で解説をされている合田洋プロも「ティアップにも練習が必要で、プロは手の感覚だけで毎回同じ高さにティアップできるように練習している」とおっしゃっています。
毎回自分に最適な高さにティアップできるようになれば、打ちたい弾道によって少しティの高さを上下するという技も使えるようになりますから、これはぜひとも練習しておきたいものです。
いや~、ティアップひとつにしても、けっこう奥が深いんですね~。
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