3アンダー8位タイも、本人的には75点
「スウィンギングスカートLPGA台湾選手権」初日は、強風に加え細かい雨が振り続けるという悪天候。そのなかで、渋野日向子選手は3アンダー8位タイと奮闘しました。「風は得意じゃない」と本人は言っていましたが、今日のプレーを見る限りショットはキレッキレ。フェアウェイは外さないし、左右に振られたピンへの距離感もピッタリでした。
まずは出だしの1番ホール、グリーン手前のラフからチップインバーディを奪い、幸先良いスタートを切ります。3番ホールではグリーン手前のバンカーにつかまってしまうものの、ナイスアウトでパーセーブに成功。
同組のイ・ジョンウン6選手とハンナ・グリーン選手のアプローチをじっくり見ていたのが印象的でしたが、渋野選手のウェッジは今回使用しているものは今年に入って6本目だそう。
「スタンレーレディスの後に替えたのですがよく見るともう溝が潰れかかっていて、バンカー練習は少しにしています」(青木)
3月からツアーに参戦し、7ヶ月で6本目のウェッジとなると練習量の多さを物語っていますね。
4番は3打目をグリーン左のカラーへ外してしまいましたが、ここでパターではなくウェッジを選択し、オッケーに寄せてパー。8番で2つ目のバーディをゲット。2アンダーで前半を終えました。
後半10番ホールでは2メートルのバーディチャンスにつけるも、入らず。やはりグリーンの目が難しくて思い通り転がらず、短いバーディパットを逃してしまう場面はいくつか見られました。
ただ、強い雨風の中で後半もショットのキレは抜群です。弾道の高さもコントロールできていました。14番でボギーを出してしまいましたが、16番では風が強まり雨が横殴りになる中、ピンから4メートルまでの位置につけてバーディを奪取。
続く17番ホールパー3では悪天候でプレー進行が滞り、前の組に追いついてしまった渋野組。待ちの時間が続きましたが、集中を切らさずに連続バーディです。ただ、最終18番ホールはドライバーショットが右に流れ、セカンドもラフに。3打目も乗せられず、3メートルくらいのパーパットを外してしまい、ボギーでホールアウトとなりました。
グリーンに苦戦させられバーディパットを外しながらも、焦らずにうまく自分をコントロールして、5バーディ2ボギーで3アンダー。トップタイは6アンダーのホ・ミジョン選手とネリー・コルダ選手です。この強風の中で6アンダーで回るのは、さすが世界のトップ選手たちですが、渋野選手も食らいついています。
渋野選手を指導する青木翔コーチに初日のプレーの出来を聞くと、「この風と慣れない芝の中で、初日にしては100点と言って良いゴルフでした」と合格点。しかし渋野選手本人にとっては少し悔いの残る結果だったようです。
「んー、ななずーご(75)点です。もうちょっと入れられたパットもあった。もうちょっとスコアを伸ばせたかなと思います」(渋野)
とは言え、初日の結果を見てみると、出場選手81名中アンダーで回れた選手は28名。14番と18番のボギーは、この悪天候の中では仕方ないなという印象でしたので、むしろ5つもバーディを獲ってしっかりアンダーで回り切ることができた、素晴らしいプレーだったと言えるでしょう。
余談ですが、会場では日本人のギャラリーもちらほら見かけました。さらに、現地・台湾のギャラリーが“しぶこ”のタオルを持って応援する姿も。なんでも日本の友達からもらったそうです。台湾でも渋野選手の人気が上がっていることが伺えます。
初日に非常に良いプレーを見せてくれた渋野選手。青木コーチによると弾道を安定させるのに新しいことを取り入れているといいます。詳しくは明日のレポートでお話しします。明日以降も相変わらず風は強そうで、天候も少し心配ですが、引き続き注目していきたいと思います。