東京五輪でタイガーと松山の“リベンジマッチ”となれば盛り上がりは必至だが……
日本からは松山英樹と今平周吾の出場が有力視されているが強豪揃いのアメリカは誰が五輪出場権を得るのか混沌とした状況だ。
出場は各国2名が原則だが世界ランク15位以内に限り1国4人まで出場することが可能。現時点ではアメリカからブルックス・ケプカ、ダスティン・ジョンソン、ジャスティン・トーマス、タイガー・ウッズの4名に資格があり、東京2020で再びタイガー vs.松山の金メダル争いが繰り広げられればいうことなし。
想像するだけでワクワクするが未だに燻っている問題がある。それは開催コースである霞ヶ関カンツリー倶楽部の酷暑問題。
折しも東京2020のマラソンと競歩の会場を札幌に変更する決定がなされたばかり。
そんななか松沢成文参議院議員が埼玉県の内陸部に位置する霞ヶ関CCが夏場いかに酷暑に見舞われるか、その影響に対する懸念を「25日にバッハ会長に直接手紙で訴えた」という報道がESPN(アメリカの大手スポーツ専門チャンネル)のウェブ上でなされた。
「17年に首都大学東京の研究チームは霞ヶ関CCが位置する埼玉県川越市が日本一暑いとの観測結果を英気象学会誌に発表した」と松沢氏はいい、その時期に行われた大会では「42度を記録したこともある」と語っている。
「(7月の終わりから8月のはじめに同地で)屋外スポーツイベントを開催することは非常に無責任といって過言ではありません」という主張にESPNも「今年の夏日本では少なくとも57人が熱中症で死亡した」とし「大会中最大1250人が熱中症にかかる可能性」を指摘した。
また松沢氏は「予定されている競技期間中の過去3年間の平均気温は31.7度で、暑さ指数(WBGT)
で原則運動が中止される31度を超えている」と訴えた。
かねてから「海沿いで平均気温が4度低い若洲ゴルフリンクスへ」競技会場変更を主張してきた松沢氏。この話題がIOCの議題に上っているという情報はいまのところない。だがアメリカでも報道されているということはいずれ問題になるかもしれない。
ジカ熱の流行で出場を辞退する選手が出たリオ五輪。今度は酷暑による命の危険から出場辞退する選手が続出する、なんてことにならないとよいのだが。
撮影/姉崎正