出だし2連続バーディと絶好のスタートを切ったが……
今日も渋野選手はショット好調。出だしから2連続バーディでスタートします。しかし、3番パー3は今週初めての15メートル近いロングパットで、3パットのボギーを喫します。
続く4番パー4はピンに近いサイドのバンカーに入れ、難しいバンカーショットが寄せきれずにボギーと幸先いいスタートを生かせません。
続く5番パー4はピンを狙って奥に外すもオッケーに寄せてパー。6番パー5は3打目のアプローチを寄せきれずオーバーしボギー。7番パー3は4メートルくらいのバーディパットが決まらず、短い設定の8番パー4は3Wでグリーン手前まで運びバーディ。
9番パー4はパーで3バーディ3ボギーのパープレーで前半を終えます。スタートがよかっただけに”しぶこチャージ”が見られるかと思いましたが今週はなかなか波に乗り切れません。
後半は10番パー4を約6メートルに乗せてパーで発進するも11番で短いパットを外してボギー。12番パー5は2オンし、奥から寄せてイージーバーディ。13番パー4はフェアウェイ右サイドのファーストカットからピン奥のカラーへ。そこから約4メートルのバーディトライでしたが、入れられません。
14番パー3は手前から寄せてパー。そして、昨日右のカート道路から2打目を打ち池に入れダブルボギーにした15番パー4でまたもや右にプッシュアウトしカート道路を越えた植え込みに入れてしまいました。ナイスボギーで切り抜けますが、このホールは左から強烈なアゲンストが吹き渋野にとっては苦手なホールとなっています。
16番パー4、17番パー3と惜しいパットが入らずにパーで最終ホール18番パー5。左からのアゲンストの中、果敢に狙っていきましたがグリーン左手前のバンカーにつかまり、パーでホールアウト。結局、4バーディ5ボギーの73で3日間トータルイーブンパー47位とスタート時の34位から順位を下げることになりました。
ホールアウト後の会見では「出だしからディボット跡からのショットを寄せられたし、パットも入ったので行けるかなと思いましたが、真っすぐのパーパットが入らなかった(3番)。そこからかな(流れを切ってしまった)。パットも後半は入るようになってきたし、ショットはとくには悪くなかった」と話します。
見ていて明らかなミスショットは15番のティショットくらい。アプローチやパットから流れを逃しているように感じます。吹き続ける強い風や日本とは異なる芝の種類、グリーンの転がりなど初めて体験するようなことばかりですから、その中ではスコアを崩さずに頑張れていると感じます。
しかし、首位のネリー・コルダは18アンダーまで伸ばし、今日ベストスコアを出したアザハラ・ムニョスは8アンダーで回っています。そのことを会見で聞いてみると
「レベルの高さを痛感しています。こんな風の中でスコアが出せるなら世界で優勝できますよね。私のことは置いておいて」(渋野)
今回テレサ・ルーのキャディで帯同している佐藤賢和プロキャディに話しを聞くと、風の中でのアイアンショットの技術と、芝目のきついグリーンでのパッティングの技術が高いと言います。
「アイアンで距離を落とすためにフェースを少し開いて風にぶつけたり、風に乗せたりと距離をコントロールする技術が日本と(米女子ツアー選手)は違うとテレサとも話しながらプレーしていました」(佐藤)
この、風に対する技術の引き出しの数が、世界のトップレベルとの違いになっているようです。
「9番だと127か8ヤードくらいなのに142ヤードくらい飛んでました。115ヤードを8番アイアンで打ったホールもあります。風によって20ヤードくらいの幅を考えないといけないので頭使いますよね」(渋野)
今日同組でプレーした昨年の全英女子オープン女王、ジョージア・ホールのアプローチを食い入るように見ている姿をみても、こういったコースやコンディションで戦うことでできる経験は渋野選手にとって計り知れない糧となることでしょう。
フワッと浮かせる柔らかいアプローチも実戦で寄せられるようになってきています。首位とは18打の差があり、優勝争いとは関係のない位置でのプレーとなりましたが、海外2戦目の最終日にどんなゴルフを見せてくれるのか明日も楽しみにレポートしたいと思います。