曲がらない、寄る、入る。まさにオールラウンドプレーヤー
台湾で開催された米女子ツアー「スウィンギングスカートLPGA台湾選手権」。渋野日向子選手の参戦でも話題になった同大会はネリー・コルダ選手の連覇で幕を閉じましたが、そのコルダを最後まで追い詰めた1人、ミンジー・リー選手も素晴らしかったです。
ミンジー・リー選手の強みはオールラウンドプレーヤーであること。ドライバーは曲がらず、アプローチも上手に寄せてパットも入る、と抜群の安定感があります。強風が吹く台湾のコースでも、非常に安定したショットが印象的でした。
ではさっそくスウィングを見てみましょう。とくに注目したいのは、トップ位置からダウンスウィングです(写真A)。
コンパクトなトップから体の左サイドがグッと回転していきます。このとき、おそらくですがわき腹にある腹斜筋にすごく力が入っています。そのことで右サイドが前面に出ずに手元の通り道を確保して低い位置に下ろすことができています。
現地で間近に見ていても、浅い入射角からややアッパー気味に繰り出されるインパクトは再現性が高く、非常に安定感がありました。風が吹くコースではとくに再現性が求められますが、彼女の再現性の高さはまさに世界トップクラスと言えます。
今週開催のTOTOジャパンクラシックにも出場するミンジー・リー選手。開催コースである瀬田ゴルフコースは、名設計家・上田治が手掛けたコースで、ほとんどのホールが砲台グリーンになっています。
グリーン周りに外すと、少し上げてピンの周りに止めるようなアプローチが求められますが、ミンジー・リー選手はアプローチも非常に柔らかく、バリエーションの幅も広いです。彼女なら難コースを攻略し、今週も上位に上がってくるはずです。
ディフェンディングチャンピオンの畑岡奈紗選手、そして日本で賞金女王を争うシン・ジエ、渋野日向子、鈴木愛選手らとハイレベルな戦いを見せてくれることを期待したいですね。