11代目ゼクシオは「ゼクシオ11」と「ゼクシオX」の2モデル
2000年に初代が発売されて以来、国産やさしいクラブの筆頭として親しまれているゼクシオシリーズ。2019年12月に発売された最新モデルでは、「ゼクシオ11」と「ゼクシオX」の2ラインナップ展開という今までにない試みでも注目を集めた。
今回のゼクシオにはウェートプラステクノロジーという技術が搭載されている。グリップエンド近くに重さを集中させることでスイング中のクラブ軌道を安定させ、正しいスイングプレーンで振りやすくなるという物だ。
このウェートプラステクノロジー、端的に言ってしまえばカウンターバランスということ。ならば、他ブランドの通常に設計されたクラブをカウンターバランスにしてみたらどうなるのか? というのが今回の企画の内容だ。今回検証はクラブフィッターの小倉勇人氏にお願いした。
検証に使用するのはPINGのG410プラス。渋野日向子のエースドライバーとしても有名で、直進性が高くミスに強いとプロアマ問わず、人気のモデルだ。
最初にノーマルのままで打ってもらうと「評判通り、非常に直進性が高いですね。打点のミスにも強く安定した弾道が打てます」とのことだ。
次にクラブをカウンターバランスにして、振り心地や弾道の違いをチェックしてもらった。検証には市販されているカウンターウェートを使用。ウェートは25グラムあり、これをグリップエンドの穴に差し込んで装着する。
「25グラムという重さはクラブの重量(G410は純正のRシャフト装着で総重量293グラム)を考えると非常に重い数値です。装着して持ってみるとかなり重くなったという印象はありますが、素振りしてみると重くなった印象はほとんどありません。むしろヘッドが軽くなったような気がしますね。実際に打ってみると、やはりヘッドが軽くなったような感覚があり、軽やかに振れました。スイング中のヘッドの重さによる抵抗感が軽減されるので普段出せないヘッドスピードも出せそうな気がします」
そう聞くといいことづくめに聞こえるが、デメリットもある。
「ヘッドが軽く感じるぶん、自分でしっかりヘッドを走らせる意識を持たないとヘッドがインパクトまで返しきれずに右のミスになってしまう可能性もあります。この点さえ気を付ければ、普段よりシャープに振れるようになり、飛距離アップの可能性も大いにあるでしょう」
カウンターバランスは飛ばしに有効! しかし注意点も
今回の検証は、通常のクラブでもカウンターバランスにすると振り心地が向上する可能性が高くアマチュアにも有効な方法だという結果が出たが、小倉氏は気を付ける点が一つあるという。
「たとえばドライバーだけをカウンターバランスにするとそのクラブだけクラブの重心位置や重さが変わるため、1本だけ振り心地の違うクラブがバッグに存在することになります。そうなると1本だけ打っているときは良くてもコースで使用したときに他のクラブとの振り心地の差が大きくなるため、思わぬミスを呼びこんでしまう可能性があります。1本1本違うクラブとして認識し、スイングできる方なら良いですが、カウンターバランスを試すのであれば、他のクラブとの振り心地に違いが出ることを頭に入れておいてください」
もちろんゼクシオ11/Xシリーズはドライバーからアイアンまでのすべての番手でウェートプラスを搭載したグリップを使用しているので、上記のような心配をせずとも良い。しかし今回のようにドライバーだけカウンターバランス仕様に変更する場合は、14本の流れが崩れていないか、練習場などでしっかりとチェックする必要がありそうだ。
協力/ユニオンゴルフクラブ