苦しかったファイナルQT、最終日の「67」で一気に上位へ
西村優菜(にしむら・ゆな)は2000年8月4日生まれの大阪府出身で、大阪商業大学高等学校出身。5歳からゴルフを始め、ドライバーの飛距離は230~240ヤード、持ち球はドロー。目標とする選手はチョン・インジ。まず西村に自分のプレースタイルを聞いてみた。
「得意のショートアイアンでピンを攻めていけるのが持ち味です。そんなに飛距離が出るわけではないので、とくにショートアイアンを重視して練習しています。だからこそ好きだし、得意なんですが、そこで寄せてバーディをとることを強みにしています」(西村)
そんな西村のアマチュア時代の実績をみると、直近では2019年にナショナルチームとして出場した「リバースデールカップ」で日本人として初めて勝利をつかむなど、すでに海外でも活躍している。同世代の安田祐香、吉田優利、すでにプロの世界で勝利を挙げている古江彩佳らと並び、世代を代表とする選手の一人だ。
2019年に初挑戦したプロテストでは4日間トータル8アンダーのスコアを叩き出し、2位タイで合格。来季前半戦の出場権を得るために出場したファーストQTでは「71」「71」「68」「71」と4日間アンダーでプレーし、堂々の1位でファイナルQTに進出した。
しかしファイナルQTでは初日から「74」「74」「72」とスコアを伸ばせずトータル4オーバーの48位タイという順位で最終日を迎えることに。それ以上順位を落とすと、来季前半戦の出場権に黄色信号という状況だ。
「すごく苦しくて、2日目、3日目を終えてすごい下を向いてしまったりしましたが、コーチと一緒にパターをずっと修正してきて、自分が上げるしかないという風に思っていました」(西村)
そして「ひとつでも順位をよくする」とプレーした結果「67」と爆発。最終的にはトータル1アンダーの20位タイと上位につけ、前半戦の出場権を獲得した。
西村は“2020年シーズンの目標”と、さらにその先の目標をこう話す。
「まずは(それ以降の出場権が決まる)リランキングで上位に入って、来年のシードを獲れるように頑張りたいです。いずれは海外でプレーしたいと思っているので、そこに向けてしっかり実力や体力を作っていかなきゃいけないなと思っています」(西村)
2017年からナショナルチームの一員として海外の試合に出場していくなかで、海外進出への思いが強まったようだ。そんな西村が注目しているのが、2学年上で今年米国ツアーのQTを通過し、来シーズンからは米国を主戦場とする河本結だ。
「結さんが来年どんな感じかというのはすごく参考にしたいなと思っています。若いときに(海外へ)行くという決断をして、自分はまだこれからの成績次第なんですけど、どういうタイミングにするのかとか、結さんの活躍を見てみたいなと思いますね」
そのためにも、まずは来季、ルーキーイヤーの戦いが重要となる。2020年シーズンは西村、安田、吉田といったプラチナ世代が参戦し女子ツアーそのものもさらに盛り上がることが予想されるが、西村自身、一足先にプロの世界で勝った古江彩佳と同じ舞台で戦えることが嬉しいという。
「ミレニアム(世代)と呼ばれている世代の子たちは本当みんな仲が良くて、とくに古江(彩佳)ちゃんとは『似てる』と言われることもあって“双子”とか言い合って、仲がいいんです。なので来年から一緒のステージに立てることが嬉しいですね。まだまだ追いつけてないので、来年おたがい、いい年にできたらなと思います」(西村)
2020年シーズンからレギュラーツアーに出場する西村優菜に注目だ。