来年不惑。「挨拶しに行くより、挨拶されることのほうが多くなった」
今季は欧州ツアー出場26試合で予選通過9試合、賞金ランキング170位とふるわず。賞金王となった2017年シーズン以来の日本ツアー復帰を表明した宮里優作。
すでに今年も帰国後「HEIWA PGM CHAMPIONSHIP」からの国内ツアー終盤戦4試合に参戦したが、久々の日本ツアーの空気はどのように感じられたのか?
「たった2年いない間にずいぶん変わったな~って。若手がすごい増えて。僕が年をとったのかもしれないけど(笑)。確実に挨拶するほうより、される機会が増えたね。僕がいた2年前よりも、すごく活気づいているなと感じましたね」
久々とはいえそこは元賞金王。貫禄を見せたいところではあったが、予選落ち2試合、最高位も「カシオワールドオープン」での32位タイと‟凱旋優勝“とはいかなかった。
「やっぱり調子が悪いのは、どこの国に行っても一緒だなって思いましたね(笑)」
同時に日本ツアー全体のレベルアップも感じたという。
「(2年)前と比べて、みんな飛ぶようになっているなと。スタッツ見てもそう思いましたし、外国人選手もすごく増えましたよね? それがすごくツアーにもいい影響を与えていると思うんです。日本人も外国人選手のスウィングを見て、逆に外国人選手は日本人の器用さを盗んでみたいな。お互いのいいものを参考にしあっている空気感がありましたね」
自らはこの2年間海外に出ていたからこそ、国内ツアーと海外とのレベルの差がなかったことに刺激を受けているという。
「それだけ日本ツアーのレベルも上がっている。ワールドワイドなスポーツですし、すごくいいことだと思います。海外であれ、日本であれ、ひとつ勝つことはすごく難しい。実際に2年間、僕はどこのツアーでも勝てていないですし、だからこそ来年は結果にこだわらないといけないですね」
欧州再挑戦へ「早い段階でひとつ勝つ」
来年は1月の「SMBCシンガポールオープン」で初戦を迎え、2月には上位に入れば欧州ツアー出場の道も開けるアジアンツアーのQスクール(予選会)も受けるつもりでいるという。
「アジアと欧州の共催も多いので。海外ツアーを目指す、そこで上に行きたい気持ちは変わらないので。(海外ツアーと)まだつながりを持っていたいと思っていますし、(Qスクールを)受けることを決めました。欧州やアジアンの海外ツアーに『隙あらば出たい』と考えています」
日本を拠点にしつつも、あくまで「欧州再挑戦」の権利を得るのが来年の大きな目標という。
クラブ契約フリーとなった昨年は「ドライバーなどウッド類はとくに、ちょっと色々とやり過ぎてしまったなという反省があります。今年は理想は1月から、遅くとも3月までにはセッティングを固めて臨みたい」と話す。
なかでも好感触なのが使用ボールである「ツアーB X」のニューモデル。
「他の人にあんまり使わせたくない(笑)。今年のでもこれ以上はないな……って感じだったのに。ボールが柔らかくなったぶん、高さ調整がしやすくなったし、フェースの乗り、距離感が本当にいい。これが今年あれば、セッティングの厳しい欧州ツアーに残れたんじゃないかって本当に思いました」
来季、国内と海外、その両方のコースに最高の適応できるボールを手に入れた。
「あとはとにかく、勝つこと。それも早い段階で。ひとつ勝つことで1年の流れを自分で作る1年にしたい」と語る宮里。来年6月に40歳の不惑を迎える男は、まだまだ老け込むこむつもりはない。