プロテスト一発合格でQTも突破。粘りのゴルフで上位進出を狙う
2019年のプロテストに合格、来季の出場権を懸けたファイナルQTでも上位通過を果たした吉田優利(よしだ・ゆうり)は2000年4月17日千葉県出身で、現在は日本ウェルネススポーツ大学の1年生。父の勧めでゴルフを始めたのは10歳ごろだというから計算上ゴルフ歴は10年に満たないことになるが、数々のアマタイトルを獲得してきたその実力は世代屈指。
そんな吉田の強みは本人曰く“粘り”だという。
「私は“粘り”というのをテーマにして自分のゴルフをしています。パーを拾うだけじゃなくて、優勝争いしているときも上位にくっついていけるようにバーディをどんどん獲ったりとか、そういう粘っこい選手になれたらいいなと思いますし、それを自分の強みとしてゴルフしています」(吉田、以下同)
20位と上位でフィニッシュしたファイナルQTの成績がそれをよく表している。スコアは初日から「72」「72」「70」「72」とまさに安定感抜群。順位が悪いと翌年レギュラーツアーで戦う機会が大幅に制限されることから、1年でもっとも緊張する試合ともいわれる試合でのこの波の少なさ。強みにしている“粘り”は“安定感”とも言いかえられそうだ。
プロとしての仕事場を確保した4日間の戦いを、吉田自身はこう評価する。
「まずはオーバーを1日も打たなかった点は評価したいです。日にちが重なるにつれてショットが良くなっていったということが、スコアを崩さなかった要因じゃないかなと思います」
さらに得意クラブについては「得意なクラブも苦手なクラブもそこまで差はないけど、一番はドライバー」という答え。吉田の安定感の良さは苦手クラブのないオールラウンダーであることも支えているようだ。
ナショナルチームで海外経験も豊富。「将来的にはアメリカに行きたい」
来季は開幕からレギュラーツアーでプロデビューする見込みの吉田だが、将来的には「アメリカに行きたいと思っている」という。それには高校に入学した2016年後期から2019年までナショナルチームの一員として活動した経験が影響している。
「ナショナルチームに入ってから海外に行くことが多くなって、海外でやりたいなとよく思います。もちろん日本で活躍することを前提に、自分のゴルフの目標として海外でやっていけたらいいなと思います」
国内では「日本ジュニア」「日本女子アマ」のビックタイトルを2018年に制覇。また、プロの試合での優勝争いもすでに経験済みだ。2019年の「ワールドレディスチャンピオンシップ サロンパスカップ」では単独3位で迎えた最終日を優勝した渋野日向子らとともに最終組でプレー。
惜しくもスコアを伸ばすことができず、優勝には届かなかったが(4位タイ)、プロの舞台でもすでに実力は証明している。
とはいえ、本人の“2020年シーズンの目標”は「チャンスがあれば優勝も狙いたいですけど、まずはリランキング上位に入ってシードを取りたいです」とあくまでも現実的。
世代一番乗りで優勝した古江に続くのは安田か、同じく来年から参戦する西村優菜か、あるいは吉田か……彼女たちが勢揃いするであろう2020年の女子ツアー、吉田優利が粘りのゴルフでどこまでやってくれるのか、楽しみにしたい。