ソールの“当て方”で球筋を打ち分けられる
みなさんこんにちは、ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。僕は週刊ゴルフダイジェスト誌に連載されているマンガ「オーイ! とんぼ」の大ファンなのですが、僕が「とんぼ」のファンである理由はストーリーが面白いというのは当然ですが、なにより内容がとてもためになるということ。
今までもかなり参考にさせてもらってきたのですが、12/24号に掲載されていた内容がまためちゃくちゃ興味深いものだったんです。アプローチでのいろんな球の打ち分けを、ウェッジのソールのどの部分を地面に当てるかということでやってるという内容。
ソールのヒール側やトウ側を地面にこするイメージで低くてスピンの効いた球や高くて死んだ球とかを打ち分けるということなんですが、もしイメージを変えるだけで簡単に球筋が打ち分けられるんであれば、とてもありがたいじゃないっすか! さっそくアプローチ練習場で試してきました。
基本的にソールのヒール側とトウ側、そしてソールの前側と後ろ側という4箇所をイメージして、その部分を地面に当てるイメージでいろいろな球を打ち分けます。クラブのヒール側からインパクトしていけばフェースは開くのでスピンが効き、トウ側からインパクトすればフェースがかぶるのでランが出る。
そしてソールの前側を地面に当てるように打とうと思えばロフトが立つので低い球になるし、ソールの後ろ側を地面に当てるように打てばロフトが寝るので高い球になるという考え方です。なるほど~とは思いますが、そんなに簡単に打ち分けられるのでしょうか?
ヒール側の後方で地面をこするイメージで……いきなりシャンク!?
まずは高くてスピンが効く球に挑戦してみます。これはヒール側の後方で地面をこするイメージで打つわけです。
いきなりシャンクしました……。マンガの中でもこの球に挑戦した支配人さんが見事にシャンクしていますが、僕もまったく同じでした。やはりヒール側を地面に当てて打っていくというのはちょっと難しい気がします。どうしてもネック部分が前に出てしまってシャンクになりそうなイメージが湧いてきちゃう。
とくにネック側の後ろのほうを地面に当てるというイメージはどうしても手元が浮いてしまうんですよね。練習をしていたら少し打てるようになってきましたが、思ったよりもボールが上がりません。スピンは結構入りますが、そのときはあまり高い球にならないんですよね。
コツとしてはやはりかなりフェースを開いてヒール側の後ろで地面をこするように打つことですかね。薄い芝では難しそうですが、夏場のフェアウェイとかならそこそこできるような気がします。
「トウ側後ろ」を地面に当てるイメージで高くて死んだ球
次に高くて死んだ球に挑戦です。これはソールのトウ側の後ろを地面に当てるイメージで打ちます。
この打ち方はなんとなくできました。ヒール側を意識するよりもトウ側を意識するほうがシャンクとかの心配がないので気分的には楽です。ただ、トウ側で打つことはできるのですが、なかなか後ろのほうで打つというのが難しい。
おそらくトウ側で打つことで芯を少し外すような感じになって球の勢いが死ぬんだと思うのですが、ちょっと高めの弾道は打てるのですが、なかなか死んだ球を打つのは難しいですね。方向性を出すのも結構難しいです。これはなかなか難しい技術なのかもしれません。ラフからのほうがこの打ち方はやりやすそうだし、死んだ球を打ちたいのもそういうシチュエーションが多いだろうから活躍してくれるかも。
ヒールの前側で地面をこすってキュキュッとスピンの効いた球
次はみんなが憧れる低く出てキュキュッとスピンのかかる球。これはヒール側の前側で地面をこするイメージ。
先にヒールの後方で打つ打ち方をやったおかげか、この打ち方はシャンクが出ることもなく最初からけっこう上手く打てました。思ったよりも低く出てかなりスピンがかかります! 僕はもともとそんなにスピンがかかるような打ち方をしないタイプなので、これほどスピンがかかるのは初めてかもしれません。
これは慣れるとけっこう武器になるかもしれないです。やはりこれも最初からかなりフェースを開いておいて、ネック側からインパクトしてやるイメージですね。ちょっとシャンクが怖い気もしますが、少しハンドダウン気味に構えて打つとなんだか上手く打てました。このアプローチができるとかなりカッコ良いし、下りのアプローチとか、ピンが奥で突っ込みたいときとかには使えそうなので練習したいですね。
トウの前側で地面をこすって転がる球
そして最後に低くて転がる球です。これはトウの前側で地面をこするように打ちます。
僕的にはこの打ち方が一番イメージが出たし、簡単に打てました。この打ち方をすると自然とフェースがターンするような感じがして、ドロー回転のような球が出るような気がします。低く打ち出した球はあまりスピンもかからず転がっていきます。ランニングアプローチが簡単にできる打ち方ですね。
あまりソールの前側を意識しすぎるとリーディングエッジが地面に刺さってしまうので、あくまでのソールの前のほうというイメージで打つことが大事です。だいたいの人は僕と同じようにこの打ち方が一番簡単に打てるんじゃないかと思うので、この打ち方でソールの一部を地面に擦るというイメージを覚えると良いかもしれません。
ウェッジのソールのどこを地面に当てるかというイメージだけでアプローチを打ち分けることなんてできるの? と思いながらやってみましたが、予想以上にできたので驚きました。どこにテークバックを上げてとか、コックを使ってとか、形をまったく意識しなくても、ソールのどこを地面に当てようとイメージするだけで、自然と構え方や打ち方が変わってくるんです。
いろんな理論とかで頭がガチガチになってアプローチが上手く打てない人にとっては、目から鱗が落ちるかもしれませんよ。最初はアプローチ練習場とかで遊びながら気楽な気持ちでやってみるのがいいんじゃないでしょうか。いろいろやってみるとボールに対してどうクラブが入ればどういう球が出るのかっていうのが理解できて、とてもいい練習になるんじゃないかと思います。
気をつけなければいけないのは、ソールの前側を地面に当てようとするときは右肩が突っ込みがちになります。リーディングエッジが刺さってチャックリしてしてしまいがち。ソールの後ろを地面に当てるイメージのときは、逆に右肩が下がってトップしたりするので、これも注意が必要です。
マンガの中でも書かれていますが、イメージでできちゃうタイプの人とそうじゃないタイプの人がいると思うので、できなくても落ち込まないようにしてください。僕はもともと感覚派なので、この打ち分け方はけっこう合っているかもしれません。でも、練習しないとなかなか本番では自信を持って使えないのかな~とは思いますが。
とんぼちゃんのようにどこからでもビタビタ寄せれるゴルファーになりたいもんですね~。