「100を切る」だけじゃダメ。100を切るとどうなるの?
2020年となりました。新年の恒例行事のひとつと言えば初詣ですね。初詣では絵馬に願い事を書いたり、手を合わせて「仕事がうまくいきますように」「子供の受験がうまくいきますように」「1年健康で過ごせますように」と1年の願いを祈願される方も多いのではないでしょうか。
このように日本では新年の始まりと同時に「目標設定」をするという風習がありますよね。同じように私がサポートするプロアスリートにもこのオフ時期にシーズンの目標設定をテーマにセッションをしていきます。
今回の記事ではその目標設定の具体的なポイントについて解説していきたいと思います。結論から言うとメンタルコーチがおすすめする目標設定のポイントは「魅力」と「具体性」です。
通常の目標の多くは「100を切る」「シングルプレーヤーになる」「全国大会出場」「ツアー出場権獲得」「賞金王」というように非常にシンプルな設定をする方が多いようです。もちろん、これも悪くはありませんが目標をうまく使えているとはいえません。
そもそも目標を設定するメリットとは何でしょうか? もっとも価値のあるメリットは「やる気の向上」と「必要な情報や選択肢への気づき」だとアスリートに伝えています。
「達成することで得られるもの」はなに? 魅力的な目標がやる気につながる
「本気で達成したい!」と思える目標が明確にあればやる気は自然と湧いてくるものです。そのような目標があれば、日々のきつく地味な練習にも耐えることができたり、決めた自主トレなども継続することができるはずです。
つまり、目標設定はできる限り魅力的な設定をすることがカギになってきます。たとえば高校生ゴルファーであれば「全日本アマチュア選手権出場」という設定だけで十分に魅力を感じられ、最高のやる気が湧いてくる方はそれでOKですが、そうでない方はさらに「装飾」をつける必要があります。
どんな装飾かというと「全日本アマに出場することで得られること」です。大会に出場し上位に入ることで大学やスポンサーからオファーがある/高いレベルのゴルファーと試合をすることでさらに向上心が湧きプロへの道につながる/親やコーチなどサポートしてくれる人に恩返しできる、というようなイメージです。
このように「達成することで得られること」を言語化することでやる気につながる魅力的な目標となるでしょう。
抽象的な目標ではもったいない
次に重要なことが「必要な情報や選択肢への気づきにつながる目標」です。私たちの脳は必要な情報を探します。たとえばお昼ごろに車を運転しています。そして、「今日は麺類を食べたいな~」と思ったとします。そうすると「うどん屋、ラーメン屋、そば屋」の看板が次々と目に入ってきます。
さらに「今日はとんこつラーメンがいい」と目標を具体化し絞ったとします。そうすると脳は「とんこつラーメン」をターゲットに過去に行ったことがある店舗や通りがかりの看板から目的地へ導いてくれます。
つまり、具体的な目標を設定することで抽象的な目標では気づかなかった情報に気が付き、達成に必要な行動を思いつくことが多くなるのです。
「関西大会に5位以内で入り、全日本アマでは10位以内に入る。試合では~なショット、~なアプローチ、~なパット、~なマネジメントができ、ミスをしても動じないメンタルで自分らしいアグレッシブなゴルフができている」というように具体的な設定をすると自然と脳は「全国で10位に入るために必要なスキルは何だろう? 必要な練習量・質はどの程度だろう?」と考えてくれます。このような思考は「全日本アマ出場」という抽象的で目標では起きないのです。
メンタルコーチがおすすめする目標設定のポイントはいかがだったでしょうか? あなたの2020年の目標に「魅力」と「具体性」という視点を入れ、ゴルフのモチベーションやレベルアップにつなげて頂ければ幸いです。