PGAツアーの2020年初戦「セントリー・トーナメント・オブ・チャンピオンズ」。この試合でベールを脱いだのが、テーラーメイドのニュードライバー「SIM」だ。すでに明らかになっている情報から、この注目クラブの性能を見極めてみよう。

DJは「SIM MAX」の10.5度を使用

テーラーメイドといえば2016年モデルの「M1」「M2」以降、2017年モデルの2代目「M1」「M2」、2018年モデルの「M3」「M4」、2019年モデルの「M5」「M6」と、近年はMシリーズが代名詞。

タイガー・ウッズのマスターズ復活優勝を筆頭に、当時契約プロだったセルヒオ・ガルシアのマスターズ制覇、ダスティン・ジョンソン(DJ)の430ヤード超をあわやホールインワンというロングドライブなど、印象的な勝利やショットを彩ったクラブ。セールス的にも順調な、まさに看板ブランドだ。

画像: ダスティン・ジョンソンがテーラーメイドの新ドライバー「SIM MAX」をバッグイン(写真はGetty Images)

ダスティン・ジョンソンがテーラーメイドの新ドライバー「SIM MAX」をバッグイン(写真はGetty Images)

というわけで2020年は「M7」「M8」が出るのではという大方の予想を裏切り、今年は「SIM」そして「SIM MAX」という新たなブランドを投入するようだ。

米国テーラーメイドの公式サイトによれば、DJ、ジョン・ラーム、コリン・モリカワ、マシュー・ウルフの4人はすでにこの新しいドライバーにスイッチ済み。DJはSIM MAXを、ラーム、モリカワ、ウルフはSIMをバッグに入れている。

ちなみに、選手たちはフェアウェイウッドもSIMにスイッチ。DJに関しては、人生で初めてユーティリティをバッグに入れているそう。SIM MAXレスキューの22度で、シーズンオフのテストでは平均255〜260ヤードをキャリーで飛ばしていたそうだ。すごい。

SIMは可変ウェートあり。SIM MAXは可変ウェートなし

さて、注目のSIMドライバーだが、テクノロジーやスペックなどを推し量る情報は発表前のため少ない。USGA(米国ゴルフ協会)の認定リストに掲載された写真を見る限り、SIM MAXには可変ウェートの類はなく、SIMにはソールのフェースよりにひとつ可変ウェートがついているようだ。

画像: 左がSIM、右がSIM MAX(写真はUSGAのコンフォーミングリストより)

左がSIM、右がSIM MAX(写真はUSGAのコンフォーミングリストより)

現行モデルであるM6には可変ウェートがなく、M5にはふたつの可変ウェートがある。このことから、SIM MAXはM6、SIMはM5と対応するクラブなのかもしれない。また、M5、M6には曲がりを抑えるツイストフェース、反発性能をルールギリギリにキープするスピードインジェクションなどのテクノロジーが搭載されているが、それらが搭載されるかどうかは現時点で不明だ。

SIM/SIM MAXは空力性能を高めて飛ばす!?

さて、唯一SIMの性能を類推する手がかりが、テーラーメイドが発表している先行映像だ。風洞実験場のような場所に置かれた一本のドライバー。そこに巨大な扇風機から風が送られる……という映像。そこに、「もっとやさしく飛ばすにはシェープが重要だ(※注:超ざっくり訳です)」といった文言が付されている。

画像1: TaylorMade Golf on Instagram: “The SHAPE of things to come. #SIMdriver” www.instagram.com
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The SHAPE of things to come. #SIMdriver

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この映像から予想できるのは「空気抵抗を減らすことで飛ばす」というコンセプト……だろうか。空気抵抗を減らすといえば、クラウンに空気抵抗を抑制するという“タービュレーター”が搭載されたPINGのG410ドライバーや、空力性能と低重心の真の融合をうたうコブラのキングF9スピードバックなどがあるが、テーラーメイドはどのような工夫で空気抵抗を減らすのか。

すでにプロは実戦投入しているSIM、そしてSIM MAXドライバー。いずれにしても、すでに情報が先行しているキャロウェイのニューモデル「MAVRIK」とともに、2020年の大注目クラブとなるのは間違いないだろう。

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