「タイガー・ウッズはメジャー16勝目がある」
もっとも衝撃的だったのは「(20年の)年末までにパトリック・カントレーが世界ランクトップになっている」という予想。
2019年の最終週は目下ヒザの故障で長期療養中のブルックス・ケプカがナンバー1。1位の期間を40週に伸ばした。対するカントレーは7位で2019年を終了。
一見地味なのでカントレーは日本で顔と名前が一致しない選手のひとり。だがその地味さがエージンガーのおメガネにかなったようだ。
「昔はレティーフ・グーセンのプレーを観るのが好きだった。感情を表に出さず常に冷静。静かにプレーするグーセンのスタイルを踏襲しているのがカントレー」。「ストイックな性格でプレッシャーがかかる場面でも決して呼吸を荒げたりしない。メジャーでも活躍するはず」とツアー通算12勝のエージンガーは明言する。
プレジデンツカップでも3ポイントを稼ぎ出し、まるで忍びの者のように気づくとリーダーボードの上位にいるカントレーが、カプカやダスティン・ジョンソンといった派手なプレーヤーを凌駕する時代はやってくるのか?
続いてビッグネームの動向。エージンガーはそこでも大胆な持論を展開する。「まずローリー・マキロイ。彼は今年マスターズに勝ちますよ!」
その根拠は19年のマキロイの戦いぶり。PGAツアーで4勝を挙げているが「その内容が素晴らしい」。第5のメジャー、ザ・プレーヤー選手権に加えWGC、ツアー選手権とトップ中のトップが集うビッグイベントを制しており「1年を通して安定感が抜群だった。いまの彼はマスターズで勝つ準備が整っている」とエージンガーはいう。
マスターズで勝てばグランドスラム達成となるマキロイ。ここ6大会で5回トップ10入りしているだけに期待が膨らむ。
そしてタイガーについてもエージンガーは「メジャー16勝目がある」といい切った。「プレジデンツカップでのタイガーのスウィングはいままでないほど素晴らしかった。リズムがよく全てが噛み合っていた。イップスを克服してグリーン周りも上々」とベタ褒めだ。
「サム・スニードのツアー最多勝利記録に並んだようにメジャー最多記録もジャック・ニクラスの18勝に並んてもらいたい。希望的観測も込めて4つのうちどこでも勝つ可能性はあると思う」
ポーカーの名手でもあるエージンガーの予想はなかなか興味深い。