青々と生い茂った夏芝で使うウェッジを硬く地面に倒れるように生えている冬芝で使うと、同じアプローチでも全然効果が違うと話すのは業界屈指のギアオタクでクラブフィッターの小倉勇人。夏と冬とでどう違う? 冬芝のアプローチに合うのはどんなクラブか聞いてみた。

夏芝より難易度が上がる冬芝のアプローチ

みなさんこんにちは、ギアオタク店長の小倉です。突然ですがみなさんは、どんなウェッジを愛用していますか? 各社様々なタイプのウェッジを発売していますが、ウェッジの性能は重心位置や溝の形状、そしてソールの形状によって性能が大きく左右されます。ソールの形状は大きく分けると幅の広いタイプと狭いタイプ、そして出っ張りの小さいタイプ大きいタイプ、つまりバウンス角の大きい小さいで分けられます。

このソールの違いが芝の状態によって打ちやすくなったり、打ちにくくなったりと結果に大きく左右するのです。なぜこんな話をするのかというと自分が冬芝のアプローチが苦手だから(笑)。特に花道からのアプローチはかなり緊張します。今日はそんな冬芝のアプローチを楽にしてくれるウェッジのタイプをお話したいと思います。

画像: 夏芝と違ってボールは浮いておらず、ボールにコンタクトする難しさがある冬芝(撮影/有原裕晶)

夏芝と違ってボールは浮いておらず、ボールにコンタクトする難しさがある冬芝(撮影/有原裕晶)

まず、冬芝のアプローチを攻略するには夏と冬の芝の状況の違いを知る必要があります。夏の場合は芝が青々と生えており密集度も高いため、ボールは芝に支えられ地面から浮いた状態になりやすくなります。こういった状態でのアプローチは少しでもボールの手前からヘッドが入ると地面にヘッドが刺さりやすくなります。こういったライには少々手前からヘッドが接地してもヘッドが前に滑ってくれるソール幅の広いタイプのモデルやハイバウンスのモデルがミスを軽減してくれるので効果的です。

しかし、冬の場合は、芝の元気がないため、密集度も低く地面に倒れるように生えています。さらにその地面も乾燥し、硬くなってしまっていることが多いです。地面とボールの間に隙間がほとんどなくなり、さらに地面が硬いため手前からヘッドが入ると夏の芝では助けてくれるソールが跳ねてしまい、ハーフトップなどのミスに繋がってしまうのです。夏のアプローチは芝の抵抗による難しさがありますが、冬の芝はボールにコンタクトする難しさがあるのです。

ではどうすれば良いのかという点ですが、ソール幅の狭いタイプやローバウンスのタイプを使うとソールの跳ねは軽減できます。とはいえ、夏になればミスの許容度が狭くなるため、そういったタイプにチェンジすることはあまりおすすめできません。

「結果重視!」というのであれば、夏用と冬用でウェッジを2タイプ用意するのがベストですがそれも贅沢なお話。手頃な解決策としては、ロフトの立った番手でアプローチすること。9番アイアンやピッチングウェッジぐらいが良いですね。当たり前ではありますが、意外とやっていない方が多い気がします。

9番アイアンやピッチングウェッジは52度以上のウェッジと比べてバウンスが小さめに設定されていますので少々手前から入っても跳ねにくいですし、何よりボールを上げようとしにくくなるためクラブ軌道が地面と水平になりやすくなります。そうすれば刺さりにくくもなりますし、ざっくりもしにくくなります。

画像: 絶対に地面に刺さらないユーティリティでのアプローチもおすすめだ(撮影/増田保雄)

絶対に地面に刺さらないユーティリティでのアプローチもおすすめだ(撮影/増田保雄)

もっと極端なお話をするとユーティリティを使った転がしなんていうのも良いですね。絶対に刺さりませんし、転がる勢いが強いので少々の芝の抵抗にも負けないアプローチができます。距離感を出すには少し練習がいりますが。

前にバンカーがあるなど高さを出さなければならない場合は、50度前後のアプローチウェッジを使いましょう。サンドウェッジよりはバウンスが小さく設定されている場合がほとんどなのでミスをかなり軽減できます。そこそこミートできれば十分高さも出ますよ。冬芝のアプローチの際にはぜひ試してみてください!

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