左肩を怪我したとで通常のスウィングを行うことが困難になってしまったティーチングプロの永井延宏。ヘッドスピードは激減し、平均255ヤード、最大275ヤードだったドライバーの飛距離は180ヤードに。しかし、それによって「年をとり、飛ばなくなった状態はこういうことか!」と開眼したというから転んでもタダでは起きない。自身のホームページのブログに掲載された内容をもとに、飛ばないからこそ気づいたことを語ってもらった。

飛距離180ヤード=72歳のゴルフと仮定。エージシュートを狙ってプレーする

怪我により、痛みの出ない範囲でのスウィングを余儀なくされていることから、ドライバーが180ヤードしか飛ばなくなりました。私はこれを22年後、72歳の自分の飛距離と仮定し、年齢以下のスコアで上がるゴルファーの夢・エージシュートを狙おう!とプレーする様にしました。

今は思い切りクラブが振れている人も、やがては年齢を重ね、ヘッドスピードが落ちてくる日が来ます。私にも訪れるその日に備えたシミュレーション。そう思って、今はゴルフに取り組んでいるわけです。

ミスをすれば20ヤードくらい飛距離は落ちますから、160〜180ヤードがティショットの目安。フェアウェイに入ってうまくランが出て200ヤード。その飛距離では、350ヤード以上のパー4では「ふたつで乗らない」ことが前提となります。怪我をする以前は、レギュラーティからパー4をプレーする場合、2打目に持つのは大概ウェッジでしたから、全く違う気持ちでティショットしています。

画像: 怪我後に撮影された永井のバックスウィング……ではなくトップ。「これ以上は上がりません!」(永井)

怪我後に撮影された永井のバックスウィング……ではなくトップ。「これ以上は上がりません!」(永井)

さて、そう考えながらプレーしていると、気がつかされることがいくつかあります。

まず、ボールがなくならないということです。なぜか? 端的にいえばそれは「飛ばないから」なのですが、なぜ飛ばないのかといえば、“50%のスウィングイメージ”で振っているから。

この50%とは、単純にエネルギーの出力を半分にしたということではなく、自分でスウィング中のクラブの動きや身体の動作を意識しながらスムーズに振れる範囲が、結果として50%なのだということに気付かされます。

普段の練習や、もちろんコースでも、50%のショットを意識して行うと、ご自身のスウィングへの意識も高まると思いますし、ゴルフ自体のゲーム性を楽しむこともできると思います。50%のスウィングをする限りボールはなくならない、つまり、コントロールが可能。このことを知っておくだけでも、コース攻略の幅は広がるのではないでしょうか。

飛距離180ヤードでもバーディは取れる

もうひとつの発見は、パー5で意外とバーディが出ること。もちろん、バーディー数自体は減っています。しかし、パー5に限っては4打でホールアウトできるケースがままあるんです。

たとえば先日、ドライバー、7番ウッド、7番ウッドと3回ナイスショットが続き、5メートルが入ってバーディということがありました。怪我をする前であれば、サードショットはたいていの場合ウェッジですから、当たり前の様にピンを狙って打っていました。

しかし、ドライバーが180ヤードしか飛ばない状況で7番ウッドでグリーンを狙う場合、ピンを狙うことよりも、ミスを防ぐマネジメントを徹底しながら、パーオンを狙うことになります。

狙うか、狙わないのか。飛距離が出ないからこそ、ゲームの流れを考えながらシビアなジャッジを行う必要があるのです。そうして、針の穴を抜くようにコースを攻めてバーディーが奪えると、なんとも嬉しいものです。

このようなゴルフを繰り返した結果、今のベストスコアはレギュラーティから「74」というスコア。74歳でエージシュートが可能というスコアです。

ただ、自分が74歳でこのゴルフができるかといえば、かなり疑問というのが正直なところ。まず74歳まで健康で生きていなければなりませんし、改めてエージシュートとは偉業なのだということが理解できました。

そして、低ヘッドスピードでこそ感じられるゴルフのゲーム性や、技術的発見が多くあったのもまた事実。おかげさまで今はやや回復して200ヤードくらいは打てる様になってきました。

低ヘッドスピードなりに最新スイングを取り入れ、効率よく飛ばす技も見えてきたので、完全に回復出来たら、今までより飛ばせるのでは!? と夢見てもいます。

テレビを見れば340ヤード飛ばすプロのゴルフがそこにはありますが、180ヤードのゴルフでも、コースを攻めたりパーと戦うなど、とても楽しいです。改めて、ゴルフというゲームの奥の深さと楽しさを実感することができたように思います。

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